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関西広域連合とリードがタッグ【メディカルジャパン大阪】
- 2017/11/25
- インテックス大阪, 医療と介護の総合展(メディカルジャパン), 幕張メッセ, 自治体
▲今年2月に開催した第3回は、1067社が出展した。来年2月に開催する第4回は既に1340社の出展が決まっている。さらに9月には関東初となる幕張メッセでの開催も決まった。
関西広域連合とリードがタッグ
メディカルジャパン大阪2回目でインテックス全館使用
「メディカルジャパン大阪」は2015年に大阪で始まったが、初回からインテックス大阪の4ホール分を使用し、723社が出展した。翌年からは全館利用になり、出展者数も伸びた。2018年2月の第4回では、すでに1340社の出展が決まっている。わずか4回で関西屈指の展示会に成長した背景には、関西広域連合との協力関係があった。
自力でやる力なかった
「メディカルジャパン大阪」を初めに構想したのはリード社ではない。関西地区の府県・政令指定都市自治体が参加する関西広域連合の広域産業振興局が構想し、リード社に開催を要請して始まった。
関西広域連合はライフサイエンス分野の経済振興を2007年の発足当初から掲げていた。展示会の開催で目指したのは、域内の関連企業の需要を拡大することを狙ったものだ。
広域連合がリード社に主催を依頼したのは、計画した2013年当時では広域連合の歴史が浅く「自力開催が難しかった」(広域産業振興局・宮野大輔氏)という事情もあった。
だが、決め手となったのは展示よりも商談をメインとするリード社の展示会方針が、実需を喚起したい広域産業振興局の方向性に合致したことだ。展示会運営で広域産業振興局が担当したのは、関西エリアの医療系団体とリード社の関係づくりだ。初開催時はリード社の中に関西の医療関係者とのパイプがなかったことから、振興局が両者を引き合わせ出展・来場両面で団体に協力を要請した。
医薬・バイオGが担当
リード社では医薬・バイオ産業の展示会を担当してきた、第2事業本部蒲原雄介事務局長のチーム15人が担当となった。集客対象となる業界団体、官庁、業界幹部、マスコミを訪問して協力を要請する仕事は、リード社が確立した新規展示会の立ち上げスキームにおいても、チーム発足後最初に取り掛かる重要なものだ。メディカルジャパンが幸運だったのは、関西広域連合から声がかかって始まったため、初期の協力要関係づくりが順調に進んだことだ。
日本病院協会が共催
メディカルジャパンの運営には、リード社、関西広域連合と並び、もう一つ重要なプレイヤーが関わる。全国で病院を経営する医療法人と自治体・公的機関を会員とする(一社)日本病院会だ。会員の病院数は約2500に及ぶ。 医療現場では医療と介護を隔てる境界が曖昧になる一方で、会員からは医療と介護の総合的な展示会を望む声が上がった。病院会は医療関係者の展示会「モダンホスピタルショー」を毎年東京で主催しているが、メディカルジャパンは今年から東京でも開催が決まっており、病院会はそこにも共催に名を連ねる。メディカルジャパンの東京開催には病院会の中からも要請があったようで、「モダンホスピタルショー」とは別の価値を会員も認めているようだ。
自治体の主導が必須
メディカルジャパン大阪は短期間で強い展示会を関西につくり出し、リード社、関西広域連合、日本病院会の3者にも有益な結果をもたらした。だが、関西広域連合では、民間主催会社と組み新たな展示会をつくる計画は今のところないという自 。治体が民間主催会社に展示会運営を委託する事例は他地域でも一部で見られる。だが、多くの場合、会場の管理部門やコンベンションビューローが主催会社に要請して開催しているのが実態で、自治体の経済振興部門が自ら旗を振る事例はあまり聞かない。その結果、自治体全体が取り組む展示会にはならず、大きな経済効果を提供するには至っていない。メデイカルジャパン大阪は、関西広域連合という自治体の本丸が開催を主導したことが成功を呼び込んだ大きな要因の一つだろう。
インテックスの稼働率に余裕が見られるなか、今後新たな産業で関西独自の展示会を創出していくことが望まれる。
関西広域連合とは
大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県に、大阪市、堺市、神戸市、京都市の各政令指定都市と、徳島県、鳥取県を加えた12の自治体が参加する。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。