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語る手記(9)
- 2017/11/10
- 東京モーターショー
四大証券の損失補てん事件で、当時大阪商工会議所の会頭を務めていたサントリーの佐治敬三が怒り吠えた。
「企業犯罪には日本社会の伝統ともいえる村八分が有効だ。損失補てんを受けた企業は、それぞれの業界が村八分にすればいい」。
後日、大和証券の損失補てん先リストに自社が載っていたことが判明。発言を撤回したという。巨大企業の失態は、村八分にもできないほど影響が強い。
▼暗い影を拭い去る祭典となればいいのだが。
10月27日から10日間、自動車産業最大の展示会「東京モーターショー」が開催される。テーマは「世界を、ここから動かそう。BEYOND THE MOTOR」。だが、神戸製鋼所のデータ改ざんや日産の不正検査と、業界内から冷や水をかけられた形となった今年のショーは、華々しい言葉に飾られても開催前から盛り上がりに欠けている。
▼日産は問題の発覚を受けて、歌手の矢沢永吉さんが「ぶっちぎれ 技術の日産」とつぶやくCMを自粛した。
耳に残る前作「やっちゃえ日産」も今では皮肉にしか聞こえない。それも村八分といかない業界大手、「出展も自粛してくれ」とも言えない。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。