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IR実施法 試案に対し意見紛糾
- 2017/10/26
▲IR*ゲーミング学会の学術大会に、政府が招集した推進会議のメンバーが3人登壇した
推進会議委員も議論に参加
IR実施法の試案作成のため、4月に政府が招集したIR推進会議の委員8人のうち、3人が登壇するパネルディスカションが9月27日、IR*ゲーミング学会(大阪市)の主催する学術大会で行われた。登壇したのは、あずさ監査法人パートナーの丸田健太郎公認会計士と、三宅法律事務所パートナーの渡邉雅之弁護士だ。司会を推進会議の委員の大阪商業大学、美原融教授が務めた。
試案は7月末に安倍首相に提出されており、会議の活動は区切りがついていることから、3人は試案に対する個人的な見解も述べた。議論の争点となったのは3点だ。
1点目は、IRにおけるカジノ部分の敷地に対する制限だ。シンガポールの制度にならい、1.5万㎡以下、IR総面積に対する3%以下に抑えるという案に対して、地方都市のIRは巨大施設を想定していないため3%の条件が厳しすぎるという意見が出た。一方、丸田氏はシンガポールの運用ルールでは1.5万㎡という条件に通路部分が含まれないなどの実態から、運用の仕方次第で、大きな障害にはならない、と述べた。
2点目は、日本人の来場回数制限についてだ。参加者の間では厳しいという意見が大半を占めた。3名とともに登壇したネバタ州ラスベガス大学のアンソニー・カボット氏は「来場制限が依存症対策になるというデータはなく、根拠のない規制は意味がないからやめたほうがいい」と発言した。
3点目は、入場に際して、マイナンバーカードを提示する制度についてだ。美原氏はマイナンバーカードの普及率が9.7%に留まる現状から、IR経営の足かせになると主張した。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。