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IR実施法 ~アメリカ商務省 日本でセミナー開催
- 2017/10/12
▲臨時国会で攻める決意を新たにした萩生田議員だが、冒頭解散となれば議論はしばらく延期となる
トランプ氏も前のめり
アメリカ商務省内の一組織、米日経済協議会(USJBC)は12日、カジノIRに関する研究者らによるセミナーを開催した。USJBCのスポンサーには、アメリカのカジノIR運営会社大手であるラスベガスサンズ、シーザーズエンタテインメント、MGMインターナショナルが名を連ねる。3社は日本でのカジノIR開業に向けて候補地の視察も行うなど進出に積極的だ。今回のセミナー開催を通じ日本政府に向けてIR実施法の早期実現を働きかけている。
セミナーでは、ネバダ大学ラスベガス校の国際ゲーミング研究所に所属する教授や、シンガポールのカジノIR政策に関わった公共政策のコンサルタントなど7人が登壇した。内容は、ラスベガスやシンガポールでカジノIRがもたらした経済波及効果、反政府勢力の排除、カジノ依存症対策などだ。
ネバダ州のカジノ規制法は世界中のカジノに強い影響力を持つ。カジノIR運営大手が本社を置くラスベガスはネバタ州にあり、各社が運営する世界中のカジノを規制対象としているからだ。
ネバタ州では1931年に規制法が成立する前からカジノが乱立し、反社会的組織への資金流出や犯罪率の増加に悩んでいたが、その後、法整備を強化する中でファミリー層が訪れる現在の統合型リゾートへと変化させた歴史を持つ。現在、ラスベガスのIR売り上げは6割がカジノ以外となっている。
セミナーの冒頭で挨拶に立った自由民主党の萩生田光一衆議院議員は、安倍首相の訪米に帯同した時に交わしたトランプ大統領との会話の中で、大統領本人から今回の協賛3社について詳しい説明があったことを述べ、臨時国会で「一気かせいに攻めたい」と話した。だが、28日に召集が予定される国会は冒頭解散する可能性もあり、IR実施法案の国会提出は先になりそうだ。
会場には、全国から自治体、ゼネコン、IR事業の関係者など300人以上が訪れた。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。