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地主と共同計画した旗艦店
- 2017/9/26
- 不動産・資産運用
名古屋駅東口に5月オープンしたコメ兵の名駅店
名古屋駅東口、名鉄名古屋駅の目の前に、今年5月、中古品売買のコメ兵(愛知県名古屋市)が、名駅店をオープンした。ここ数年の再開発で超高層ビルが立ち並ぶ駅前の好立地に建てられた、新築2階建ての建物だ。コメ兵は1棟を丸々借り上げており、柱のないガラス張りの前面に「KOMEHYO」のロゴマークが映える。
建物は代々この土地を引き継いできた地主の横山篤司氏が、建て替えたものだ。建築前の計画段階で横山氏は借り手を探し始め、コメ兵との契約を決めた。
駅前好立地では、高層ビルが建つことが多い。当初、横山氏も10階を超える大型ビルを計画していた。だが、名古屋駅周辺は再開発のラッシュを迎え、オフィスや商業テナントビルが大量供給されている。
不動産経営の塾「不動産オーナー経営学院」を主宰し、不動産市況に精通する横山氏は、将来的なテナント確保に不安を覚え、競合する商業ビルと差別化できる2階建てに照準を定めた。
「せっかくの一等地がもったいない」と思うかもしれない。だが、収益性は上々だという。1棟を丸ごと貸す場合、高層ビルの1、2階を貸すよりも、高い賃料を設定できる。また、高層階は競合物件が多いため、そもそも高い賃料が設定しにくい。
これから、旗艦店の出展先を探す企業は、地主と共同で店舗を計画するのもよさそうだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。