MICE施設建設ラッシュ 自治体五輪に照準

 
  • 2017/9/26

 展示会や国際会議に参加する外国人を地域に呼び込もうと、MICE施設の建設が相次ぐ。2020五輪・パラリンピック開催を見据え、いずれも2019~20年中の開業を見込む。

 展示会場や国際会議場などMICE施設の新設を計画している自治体は、全国で少なくとも9自治体ある。いずれも地方公共団体が主導する計画で、民間企業による建設計画は含まれていない。

 中でも最大規模を誇るのが、愛知県が常滑市に建設する「愛知県国際展示場」だ。6万㎡の展示面積と計2110㎡の大小会議室を備える施設で、19年9月1日に開業する。中部国際空港がある空港島内に建設されることから海外客の誘客も見込んでおり、国内外の大規模展示会を誘致することで稼働率を高める算段だ。

 奈良県は20年4月1日に延べ床面積1万692㎡の大規模会議場をオープンする。場所は、奈良駅北部を東西に通る奈良市内のメーンストリートである大宮通り沿いで、奈良警察署と県営プールの跡地に広がる2・3ヘクタールの県有地だ。会議施設以外にホテルや交流施設も備える予定で、近隣に平城宮跡などの観光地が豊富にあることから地域のにぎわい拠点として国内外にPRを図る。

 中期的に建設計画を組む自治体もある。札幌市議会では国際会議や大規模展示会誘致に向け、新たなMICE施設の建設計画の提案があがった。市内には2607㎡のホールを備える「札幌コンベンションセンター」があるが、より大規模で国際的なMICEを誘致し、地域の活性につなげたい構えだ。

 カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の整備を進める大阪府も、大阪市此花区にある人工島・夢洲に建設するIR施設にMICE機能を持たせる。具体的な仕様などは未定だが、「海外から多くの人が訪れる施設として、会議や展示会などを開ける場所にしていきたい」と市は話す。

 展示会業界からは、施設の乱立により主催者の誘致が分散するのではないかと懸念する声もあがっているが、愛知県のMICE推進室は「規模が異なるので、他の自治体の動きはそこまで気にしていない。愛知県では大村秀章知事を筆頭に海外でも主催団体への声掛けをおこなっており、地道な営業活動が重要だと考えている」と話している。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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