「サイバー技術」東南アジアへ「インター・ポール」開催

▲NECなど日本企業10社が出展した

政府も支援 国際競争が激化

国際的なサイバーセキュリティの展示会「インターポール・ワールド」が5~7日、シンガポールで開催された。政府は東南アジア諸国へ日本の商品を売り込むため、10社を取りまとめて「日本パビリオン」を出展した。2020年には東京五輪・パラリンピックが開催されることから世界中から標的とされる恐れも指摘されており、経産省は「企業の海外進出を支援することでさらなる技術進化を促進させる意図もある」と話している。

日本パビリオンとして出展したのは日本電気(NEC・東京都港区)、日立システムズ(品川区)、ラック(千代田区)など情報セキュリティ企業10社だ。NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会(港区)がパビリオンを企画し、経産省が日本貿易振興機構(ジェトロ・港区)を通じて出展にかかる費用を最大1000万円補助した。

パビリオンでは日本独自の技術や商品で海外企業へPRした。07年に設立したベンチャー、FFRI(渋谷区)は国産ウィルス対策ソフト「yarai」を出品。ユービーセキュア(港区)はセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を検査する「VFX」を売り込んだ。NECは顔認証技術や映像解析技術を出品したほか、同展の入場管理システムに顔認証システムが採用された。

会場はサンテック・シンガポールで、展示会の企画・運営はMP International Pte(シンガポール)。34カ国から226社が出展し、約1万人が参加したとみられる。

サイバーセキュリティ市場では国際競争が激化している。日本国内においても、セキュリティソフトのシェアはアメリカなど海外製品が主流となっている。同展では日本のほかに、韓国やイスラエル、フランスなどが自国の企業を伴ってパビリオンを出展していた。

身代金要求型ウィルス「ランサムウェア」が世界各国の企業に流出するなど、国際的にサイバー対策に関心が高まっている。政府は同展への出展を支援することで、成長著しい東南アジア各国の企業へ日本製品を売り込み、海外進出の足掛かりとする狙いがある。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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