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長谷川遼平のイベント取材日記(17)
- 2017/7/10
わらにはすがらない
「わらにもすがる」という言葉が好きになれない。万策尽きてどうにもならなくなったとき、頼りにならないものにすがることを例えて言う言葉だ。
五輪開催で東京ビッグサイトが利用できなくなる問題について述べるとき、(一社)日本展示会協会(東京都千代田区)の石積忠夫会長がよくこの言葉を使う。「わらにもすがる思いで…」。本当に万策尽きたのか。仮にそうだとしても、藁になどすがって何になる。
彼の著書にプロフィールがある。新潟県長岡市に生まれ、慶應義塾大学を卒業した。文具メーカーで米国駐在などを経て、1986年にリードエグジビションジャパン(同新宿区)を設立…。一代にして主催会社をここまで大きくした身ならば、紹介文に書ききれぬ苦労と闘いがあったに違いない。
22日に都庁でデモ行進をおこなった下茂貴樹さんは、支援会社のトーガシエンジニアリングに勤める、いち社員だ。小さな個が力を振り絞っておこなったデモには約400人が参加した。「わら」というにはあまりに固い意志があるように見える。
協会の長だからこそしがらみも強かろう。それでもなお、闘おうとするなら、わらにすがっている場合ではない。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。