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語る手記(2)
- 2017/7/10
当時大関だった三重ノ海が、優勝決定戦で横綱・輪島に敗れた。初日に黒星が付いてからは連勝し、10日目には横綱・若乃花にも勝利。14勝1敗同士で臨んだ優勝決定戦には、綱取りの期待が高まっていた。勝負が決した瞬間、悲鳴にも似た声が上がり、座布団が舞った。1979年7月、名古屋場所のことである。
輪島との勝負には負けたものの、2場所連続で優勝に準ずる成績を収めたとして、第57代横綱に就いた。記憶に残る出来事は、その土地に深く根を張る。名勝負を演じた2人の汗が、土俵に染み付いていることだろう。
日本相撲協会は1日、2020年の名古屋場所の開催を例年より早めることを決めた。東京五輪と重複しないよう考慮し、興行として両者が盛り上がることを第一とした。
リオ五輪では大会中に117万人が街を訪れたという。旅行、宿泊、交通など、多くの産業に特需を与えたことだろう。その陰で、多くの人々が大会の成功を支えていたことも、しかし、忘れてはならない。
日曜日になると、翌日の仕事を思い憂鬱(ゆううつ)になる。国民的アニメになぞらえて「サザエさん症候群」、あるいは「ブルーマンデー」と呼ぶ。明くる日どころか3年後を憂いて嘆く人もいる。東京五輪が国を挙げての興行と言うならば、「ブルーオリンピック」の憂いを早く解いてやってほしいものである。「♪みんなが笑ってる/お日さまも笑ってる」唄に浮かぶ光景はまだ遠い。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。