露・対日外交再開の先導役 ロシア ~近くて、遠い国~(第7回)

産業・商業大臣 マントゥロフ

 ロシアというとプーチン大統領の印象が根強いためか、プーチン大統領以外のロシアの要人についてはあまり日本で知られていない。そこで、今回はロシア経済を知る上で欠かすことのできない人物を紹介し、彼らを通じ日露経済の現状をふかんする。

 2014年3月、ウクライナから一方的に独立を宣言したクリミア自治共和国がロシアへの編入を希望した。ロシアがそれを承認したため、クリミアは現在、ロシアに併合された形となっている。日本を含めほとんどの国がこれを承認せず、欧米諸国はロシアに対して経済制裁を発動し、日本も欧米に賛同する形をとった。以来、ロシアと欧米諸国とのあいだはもちろんのこと、日本とロシアとの関係にも亀裂が生じた。両国の貿易・投資関係が低迷しただけでなく、要人の往来も減少し、プーチン大統領の訪日も立ち消えとなった。

 今なお、欧米による経済制裁は続いているが、日本とロシアとの関係には変化の兆しが見られる。16年、安倍総理は2度訪ロし、3度プーチン大統領と面談した(1回はペルーのリマ)。12月にはプーチン大統領の来日が実現した。政治、経済で日本とロシアの関係は前進している。

 ロシアの要人訪問を再開するきっかけとなった一つの出来事が、2016年2月のマントゥロフ産業・商業大臣の訪日と、「日ロ貿易・産業対話」の開催であった。ロシアで産業分野の発展を管轄する産業・商業省は、17年に日本がパートナー国を務める総合産業見本市「イノプロム」を主催しており、日本との関係強化に関心を高めている。

 マントゥロフ大臣は69年、ロシア北部のムルマンスク生まれ。大学卒業後、ウランウデ航空工場やモスクワヘリコプター工場などでの勤務を経て、2003年からロシアの武器製造国営会社、オボロンプロムの社長を約4年間務めた。その後、07年に産業・商業省の前進である産業・エネルギー省で次官、08年5月にメドヴェージェフ大統領・プーチン首相の下で産業・商業省次官、プーチン大統領の復活によって産業・商業大臣に就任した。

 前述の「対話」に出席したマントゥロフ大臣は、政治と経済を区別すべきだと主張し、数年間の停滞した日ロ関係を活発化させることの重要性を強調した。そして、インフラや製造業の分野で共同プロジェクトを進め、両国の投資協力を発展させたいとの期待を示した。

▲(一社)ロシアNIS貿易会(東京都中央区)中馬瑞貴研究員
上智大学外国語学部ロシア語学科卒、慶応義塾大学法学研究科政治学博士課程。2008年より同社。

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