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「としまものものづくりメッセ」 イベントでまちづくり
- 2017/5/25
- としまものものづくりメッセ, 機械・部品, 池袋サンシャインシティ
販促も商談も…… 自治体展ににぎわい
地域企業の活性のために自治体が主催する展示会に注目が集まっている。3月2~4日、東京都豊島区などが主催する「としまものものづくりメッセ」は10回目となる記念大会を実施した。商談の場だけでなく、PRの場としても多数の人が集まる同イベントに、毎回多数の企業が出展している。
「豊島区民の方が非常に多く集まる場でした。ビジネスマンの方も多く、商談に繋がる話も数件ありました」こう語るのは、テレビ電話通訳など営業支援サービスなどを手掛けるスマート・ナビ(東京都豊島区)の宮崎健輔さんだ。同展への出展は昨年に続き22回目。「豊島区にある企業として、区民に周知できる大切な機会」だといい、次回開催時の出展も検討中だという。
「としまものづくりメッセ」は豊島区や(一社)豊島産業協会、商工会議所、金融機関などが協働で開催する展示会だ。毎年3月にサンシャインシティ(豊島区)で実施されており、今年は3日間で1万9397人が来場した。
出展企業の多くが豊島区にあるものづくり企業だ。今回は98社・団体が出展した。毎回約100社が出展しており、リピート出展も半数以上だという。豊島区文化商工部の早川博絵係長は「出展企業の目的は、必ずしもビジネスマンとの商談というわけではない。来場者のうち会社員や自営業などは約4割で、来場者の半分は豊島区の方。販促や新規顧客の獲得を目的とする企業の方が多いようだ」と話す。
同区がまとめた2016年開催時の結果報告書によると、出展企業は金属加工や印刷関連などものづくり産業が36%だ。教育機関や官公庁、金融・企業支援、生活、医療など多種多様で、展示会の目的として最も関心を寄せているのは「販売促進・PR」だった。文化商工部の惠良明宏さんは「多種多様な企業が参加しているので、目的もさまざま。商談会のみならず、区内小学生による〝工〟の体験や、区の産業を内外に発信するためのイベント」だと語る。
区をPRする場にもなっているようだ。豊島区では「女性に優しいまち」を目標に女性起業家支援「サクラーヌbiz応援プログラム」に取り組んでいる。今年の会場では起業をテーマとした講演会が行われるほか、女性起業家の出展もあった。また、豊島区が進める「国際アート・カルチャー都市構想」にちなんでアートをテーマに彫刻家が講演するなど、区の取り組みに合致する企画構成だった。
同展が開催された背景には、豊島区が2004年に策定した産業振興計画がある。同計画では企業活力を促す機会や場の確保することを挙げており、その実現の場として、同展を区の事業として行うことが決まった。来年も3月に開催する予定だ。早川係長は「一社でも多くの出展者の期待に応えられるよう、頑張りたい」と話す。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。