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私のスターは私が選ぶ
- 2017/4/18
- インフルエンサー
▲昨年12月、幕張メッセに集まった1万人
騙されたくない人達
「実力ある人が売れる仕組みを作りたい」モテワンコンテストの発案者、辻幸範さんはことあるごとにそう発言する。思いを具現化したのが、演者を選ぶのに使われた人気投票システムだ。これは、辻さんだけが持つ特別な欲求なのだろうか。
友人や、友人を介した紹介者からの情報を最も重視するマイクロインフルエンサーの先にいる人たちは、誰かの意図で動かされるしかないのなら、自分が選んだ相手にコントロールされた方がいいという選択をしたように思える。
モテワンコンテストに来場した1万人、ネット視聴した2万人、投票に参加した42万人は、信ぴょう性の高い情報源の誘いに乗ったのではないだろうか。「誰かに与えられるのではなく、自分たちが面白いと思う人を、自分たちのスターとして選びたい」そんな言葉が、辻さんやコンテストに集まった人たちから聞こた気がした。
飯田祐基さんはニコニコ生放送で自ら配信した番組にかつて2万人のコミュニティを持つ「生主」という横顔を持つ。今でこそ、社長業が主だが、つい、2年前までは彼自身が大きな影響力を持つインフルエンサーとして活動していた。「ネットの情報発信のトレンドは、動画から生配信に変わっていく」と飯田さんは言う。時間を拘束し合う生放送の発信者と視聴者の関係には、ユーチューバーとその視聴者よりもはるかに強い結びつきがあるからだ。
ネットのコミュニティが実社会を再設計する試みは今も続いており、それが特別な世界でないことを、モテワンコンテストが示している。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。