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米・オースティンに起業家集まる
- 2017/4/14
- SXSW(サウスバイサウスウエスト), アメリカ(北米), 映画・音楽・エンターテインメント
「South by Southwest(SXSW)」は、米国テキサス州の州都オースティンで毎年3月に開かれる、起業家や起業を目指す若者たちの注目を集めるイベントだ。音楽、映画、双方向通信(インタラクティブ)という3つの分野で一旗揚げようと志す者たちが、出資先を探す投資家や、ビジネスパートナーを探す同じ境遇の仲間たちの前でアイデアを披露する。
過去には、ジャズボーカリストのノラ・ジョーンズや、twitterやPinterestといったサービスが見いだされてきた。今年も10日~19日に開催され、世界中から20万人以上の人が訪れ、オースティンはSXSW一色に染まった。
SXSWは、1987年にインディーズバンドを抱えるマネージャーが、売り出し方を話し合う場としてはじまった。日中は関係者同士の会議や講演会、展示会、夜は参加者を結びつけるパーティーが行われた。音楽関係者が集うため、さまざまな音楽家たちがライブも行うようになった。
94年には映画、98年にはマルチメディア(その後、インタラクティブに変わる)というテーマが設けられた。このインタラクティブにITサービスでの創業を目指す若者たちが集うようになり、SXSWは規模を拡大した。会議や講演会の数は1000を超え、全てを見ることは不可能だ。
メイン会場はオースティンの中心部にあるコンベンションセンターだが、会期中、街の至る所で関連イベントが開催される。市内のホテルは早々に満室になり、値段も高騰する。周辺都市に宿を取り、バスや車で移動する人や、Airbnbで、民家を借りる人も多い。
SXSWに関する情報発信を行ってきた未来予報(東京都千代田区)の曽我浩太郎さんは、参加者がイベントの作り手感覚を持てる仕組みを魅力の一つとしてあげた。会議や講演の議題は事前に設定されるが、登壇者は投票によって決まるものも多いのだ。
そもそも、自らのアイデアを世の中に知らしめたい人と、そんな挑戦者を引き上げたい人たちの価値観がイベントを成り立たせている。曽我さんは「集まる人のインディーズ魂こそがSXSWの面白さ」だと話した。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。