市と県対立 泥沼化 「名古屋 空見ふ頭新展示場」

名古屋市が建設を目指す大規模国際展示場計画について、愛知県との対立が激化している。市議会は23日、建設予定地である東邦ガス所有地の調査費を含む2017年度予算案を可決した。大村秀章愛知県知事が2月の記者会見で、計画の事業性を認めない旨を発言した件について、市は17日に開催した市議会の中で「調査を否定したものではない」との認識を示した。

名古屋市議会は23日、新展示場の建設地となる空見ふ頭・東邦ガス所有地の土壌調査費2000万円を含む2017年度予算案を可決した。ただし、市と県で建設計画に対する意見が対立していることを受け、「市と県の関係を改善し、調査を実施できる状態になったことを市議会に報告した上で、執行すること」と条件づけされる異例の事態となった。

市が東邦ガス所有地を譲り受けて展示場を建設するには、港湾法に基づく用途変更が必要だ。変更の決定権を持つのは大村知事が管理者を務める名古屋港管理組合だが、県は市の計画とは別に中部国際空港の隣接地に大規模展示場の建設を計画しており、大村知事は2月時点で市の展示場計画について「事業として成り立たない」とコメントしていた。

市の計画を進めるには県との合意が前提で、地権者である東邦ガスも「県と市の意見が一致すれば、可能な範囲で協力する」との姿勢を見せている。市と県の意見は真っ向から対立している。名古屋市の河村たかし市長は7日に開かれた市議会で、17年度予算に盛り込んだ調査費について「(大村知事から)調査をやって(と言われた)」などと発言した。

これに対し大村知事は13日の記者会見で、市議会での河村市長の発言内容が事実と異なるとして「8日に直接電話をして、抗議した」ことを明らかにし、「言った」「言わない」の水かけ論に発展している。県が中部空港付近で建設を進める展示場は19年秋までのオープンする予定だ。対する市の展示場計画は、調査開始から竣工まで約28カ月と想定されており、今後すぐに県との関係に進展があったとしても20年ごろのオープンが見込まれる。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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