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ねじれ、生地を傷めない水着専用脱水機「ハヤブサ」
- 2017/3/9
▲ハヤブサ技研(東京都葛飾区)の濵義人氏
水着の脱水機を作り続ける町工場
プールのシャワールームの片隅で見かける、水着の脱水機を、作り続けている中小企業がある。ハヤブサ技研(東京都葛飾区)を率いる濵義人は、30年前にスポーツクラブの経営者に相談を受け、商品の開発に取り掛かった。
モーター関連の仕事が長かった濵は、高速回転により物質を分解する遠心分離機を商品開発のベースとした。水着を絞るのではなく、水着と水を分離させるのだ。脱水された水着は、ねじれがなく、生地を傷めない。その代わり、毎分3500回転する強力モーターが出す、振動や音の制御に苦労した。納得できる製品になるまでに3年を要し水着専用脱水機「ハヤブサ」は完成した。
最初に納品した先は新宿のホテルだった。一週間すると、周辺のホテルから注文が相次いだ。プール利用者から評判を聞きつけたのだ。その後、何度も大手が参入してきては、撤退していった。「他所のは、うるさかったり、ガタガタ動いて、すぐ壊れるのよ」動かざること、山の如し。濱の自信を現すかのように、ハヤブサは微動だにせず、音も出さず、たった5秒で水を切った。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。