▲住宅用の手すりを展示した浅野金属工業のブースには墓地や霊園の担当者が複数訪れ、高齢者対策について相談を受けた

墓地や霊園 住宅用の手すり探しに

住宅資材や設備の展示会「Japan Home&Building Show」では、これまで業界外にいると思われていた人が買い付けに訪れた。墓地や霊園は住宅で使われる手すりを求め、建て替え時期を迎えた寺院から実際に発注を受けた出展者もいた。アジアを中心に海外からの来場者も見られたが、海外販路を持たない出展者からは、商談に結びつけられないという声も聞こえた。これまで来場者の中心だった工務店やハウスメーカーの要望も、リノベーションや、デザイン性の高い希少な商品を探すなど、新築供給が中心の頃とは内容が変わった。

高級商材探す外国人の姿も

ステンレスメーカーの浅野金属工業(新潟県三条市)のブースには、墓地や霊園の担当者が複数訪れた。頻繁に高齢者が訪れる場所ながら、今のところバリアフリー対応をしておらず、対策について相談を受けた。通常は住宅や施設に設置することが多く、これまで実績はあまりなかったが、屋外でも使用できるワイヤー製手すりの提案を行っていくという。

中国、台湾、東南アジアなどの来場者も、前回に比べ大きく増えたようだ。住宅設備製造のバクマ工業(新潟県三条市)は東南アジアのハウスメーカーから「富裕層向けに日本の住宅設備を仕入れたい」という相談を受けた。「数年前まで、東南アジアの来場者は同業者が大半で、デザインや機能をまねた商品を作るため写真を撮っていたが、今回その姿はなかった」(佐野敦塁課長)

以前から来場者の中心であるハウスメーカーや建設会社も会場に来ていたが、求める内容に変化が見られた。家の外壁にある換気扇の排気口に設置するフードの展示にはたくさんの来場者が反応を示した。特に、騒音対策としてフードの中に吸音材を貼り付けた商品に人気が集まった。「そういう部分のデザインで差別化をしなくてはならないほど、市場が成熟しているということ」(佐野課長)デザインが異なる、複数の商品を展示したことが良い結果につながったという。
一方で、コストの削減が求められる領域では、以前よりもハウスメーカーの存在感は増しているようだ。これまで、設備会社や工事会社に任されていた部材が、ハウスメーカーの管理下に置かれ、一括購入や仕様の統一が進んでいるという。

国産木材の需要は頭打ち


▲薄い色の木材がはやる時は不景気で、景気が上向くと濃い色が好まれると言う。木材メーカーの島崎興産(福岡県大川市)で、ここのところ売れているのは、ブナ、メイプル、ホワイトアッシュといった薄い色の木材だ。

岐阜県の森林組合と共同出展した中島工務店(岐阜県中津川市)には、寺院から建て替えや改修に関する相談が相次いでいる。ここ数年で、その数は一気に増えており、会場でも複数の関係者がブースに訪れた。国内には7万7000件の寺院があり、建て替え時期を迎えた建物が少なくないという。
木材需要の観点で言うと、新築需要の減少に合わせて下降気味だ。政府は国産木材の活用を推奨しているが、足元の需要はそれほど大きく変わらないようだ。世界的に環境保護を目的に、伐採や輸出に制限をかける国が増えており、輸入材は10年前から2倍に高騰している。国産材の代表格であるスギやヒノキは価格が安定していることから、輸入材の不足を補っている状況だと言う。

Japan Home&Building Show/店舗・商業空間デザイン展
会期:11月20日(火)〜22日(木)
会場:東京ビッグサイト 東4〜6
主催:(一社)日本能率協会
共催:(一社)日本建材・住宅設備産業協会/(一社)リビングアメニティ協会/(一社)住宅生産団体連合会/公益社団法人日本建築家協会
出展者数:506社
来場者数:11万4349人(同時開催展含む )

▼関連記事はこちら

人の死が経済価値で測られることへの危機感が決め手 寺院、葬儀業界の展示会へ出展


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る