「想定外」と日本の出展企業は口を揃えた @ China Beauty Expo

  • 2019/6/10

 中国最大の美容業界の展示会「China Beauty Expo(CBE)」に出展した日本の中小企業に、中国市場の攻め方と現状について聞いた。日本で想定していたものとは大きく異なる市場に戸惑いながら、各社とも活路を見いだしている。

▲山本晃司社長は4年前からアリババのECサイト「Tモール(天猫国際)」で商品を販売する

スニーカーの流行 運動靴洗剤売れる

コーセー(奈良県香芝市)

 台所、洗濯、ベビー用品など家庭用洗剤メーカーのコーセー(奈良県香芝市)は、7年前から中国での販売を開始し、年商5億円のうち2割程度を中国で売り上げる。2年前、白いスニーカーが流行したのをきっかけに、運動靴用の洗剤が売れた。「中国では何かのきっかけで突発的に商品が売れることがある。その後、長く売れ続けるようにできるかが重要」と山本晃司社長は話した。

 一番売りたいのはベビー用品の洗剤だ。参入のきっかけも中国でベビー関連商材が売れていることを知ったからだ。だが、今のところ、期待したほどの販売にはつながっていない。中国市場があまりにも大きく「我々規模のプロモーションでは存在を広められない」(山本社長)ことと、中国製品との価格差が10倍程度あり、高級商材を扱う一部の日系デパートでしか扱われないからだ。

 同社の場合、中国の商売では、商品を代理商に卸すときに商品代金で得る利益以外はすべて代理商に還元する。その代わり販売にかかる経費も代理商が負担する。

 出展の目的は、中国での販売を任せる代理商との商談だ。ブースにはECモールや中国各地の実店舗に商品を卸す代理商が訪れた。展示会の出展支援と中国での販売支援を行う専門会社に商談を任せた。「契約につながるかは、今後の支援会社の営業にかかっている」(山本社長)。今回の出展にかかった経費は、総額100万円程度だった。

▲ミツエイは会場でSNS動画の生配信も行い集客を行った

ブランド価値を守ることの難しさ

ミツエイ(福島県いわき市)

 年商80億円の台所洗剤メーカー、ミツエイ(福島県いわき市)の海外売り上げは今のところまだ微々たるものだ。日本国内のOEM事業が好調で、体力のあるうちに海外市場を攻めようと3年前からCBEに出展する。

 中国では手痛い洗礼を受けた。参入当時に用意していた社名の商標権を他社に取られてしまったのだ。現在の中国における商標「美浄栄」は、進出支援会社に相談して新たに取得したものだ。また、日本から先行して進出していた同業者の商品が、大幅に割引して市場に出回ってしまい、後発商品として認識されたうえに、「さらに安くしなければ仕入れない」と言われた。

 ライバル会社は低価格戦略を展開したわけではないという。いくつもの代理商を通じて商品を流したら、商流が把握できなくなり価格を統制できなくなった。「この1年は、実店舗とECモールのバイヤーにブランド価値を伝え、商流を整理することに力を注いだ」(新倉淳一さん)。満を持して出展した今回のCBEでは、新たなバイヤーとの出会いを求めた。ブースには中国各地からバイヤーが訪れた。

▲ハーブを使用した洗剤やボディソープ「EMARA」を商品化したフリーアナウンサーの宮崎宣子さん

1年以上開発したハーブ洗剤を展示

宮崎宣子さんも出展

 天然由来のハーブから作ったキッチン用洗剤とボディソープを展示したのは、フリーアナウンサーの宮崎宣子さんだ。日本と海外両方で展開を目指しているが、開発に1年以上かかかり、以前から出展を決めていたCBEがお披露目の場となった。会場では中国や台湾のバイヤーから取引の打診があった。

 パン教室を開く母親の手荒れがひどく、口に入れても害のない洗剤を作った。ボディソープは体臭の対策に力を入れた。日本テレビ時代に体調を崩した時、薬が合わずハーブの薬効を知ったのがきっかけだ。ハーバルセラピストやメディカルハーブコーディネーターの資格も持つ。

▲高山洋一さんは中国の 現地法人で総経理をつとめる

中国市場が求める供給量は莫大

近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)

 メンタームを製造する近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)は、上海に現地法人を設立した11年前から出展している。年商は1500万元(約2億3000万円)だ。中国ではリップクリームと日焼け止めが主流で、メンタームは販売していない。薬事法の関係で輸入コストがかかるからだ。

 「中国進出で苦労するのは、中国市場で求められる供給量を満たすことだ」と高山洋一総経理は話す。市場規模が大きく、日本向けの体制では、中国市場に商品が行き渡らない。出展に成果は求めていない。「中国では出さないと『何かあったのか』と言われるから」(高山総経理)

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