展示会をきっかけに業績好転 ~五輪の影~

▲会場で呼びかけたセミナーにも来場者が集まった

五輪・パラリンピック開催に伴い、東京ビッグサイトが約2年間使用できなくなる。同会場で開かれる約300の展示会は、同期間にりんかい線・東京テレポート駅付近に新設される仮設展示場へと移るが、仮設展示場の床面積は現在のビッグサイトの約4分の1。このままでは多数の展示会が開催できなくなる見通しだ。これに対して、展示会に出展することで商売相手を見つける全国の中小企業からは悲鳴が上がっている。

利益率の高いコンサルタント契約が結べる

企業向けの社員研修や、人事・教育制度のコンサルティングサービスを提供するウェルネット(東京都渋谷区)は、4年前に参加した、総務・人事担当者向けの展示会「HRエキスポ」をきっかけに、増収増益に転じた。利益率の高いコンサルティングサービスにつながる顧客と出会えるようになったからだ。今では売り上げの2割を展示会で稼ぐ。
それまでは顧客開拓が進まず苦しい時期を過ごした。研修商品は該当社員が資格を取得すると、継続販売が難しい。新規を開拓し続けるか、教育・人事制度の全体運用を引き受けるコンサル契約を増やさなければ、すぐに減収してしまう。創業10年を迎えた頃、今まで通りの営業では拡大ができない時期を迎えていた。
すがる思いで参加した展示会は、終わってみれば3日間で500万円以上の受注につながった。会場で知り合った顧客との間でコンサル契約も相次いだ。会場でブースを構えると、社員教育に悩む企業の担当者の方から相談に訪れるため、初めから課題の根元に迫る話ができたからだ。

ウェルネット(東京都渋谷区)の山根裕基専務

 


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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