業界通が行く!第3回 「楽器業界」

10年間でライブ売り上げは倍増しギターとピアノは半減した

楽器業界の看板スターは、エレキギターということらしい。ギターは、付随する関連商品の数が多いからだ。音色を変えるエフェクターや音を出すアンプなど、ギターを一本持つと後から欲しくなるカスタマイズ商品が多くあり、メーカーや小売店の貴重な収入源となっている。だが、ここも人口減のなせる業か、市場は10年来右肩下がりだ。漫画やアニメの影響もあり、バンドブームは定期的にやってくる。最近は中高生女子バンドも珍しいものではなくなった。しかし、市場全体の底上げには程遠い。

決して音楽業界が冷え込んでいるわけではないのだ。ライブやフェスといった音楽イベントはむしろ市場を拡大している。ぴあ総研の発表によれば、音楽コンサート市場は2015年、3405億円と前年比25・2%増で、06年の1527億円と比べると2倍以上に伸びている。売れないのはCDと楽器だけだ。(一社)日本レコード協会の発表によると、CDなどオーディオレコード全体の売り上げは2006年、3500億円だったが、15年は1800億円となり、ほぼ半減した。有料音楽配信売上は15年、471億円だった。

ここから見えてくるのは、音楽は聴くが、自ら楽器は演奏しない人が増えているということだ。「若者の楽器離れが激しい」と楽器フェアで事務局を担当したシンコーミュージック・エンタテイメント(東京都千代田区)の高橋保男氏は話す。音楽雑誌を複数出版するシンコーミュージックの場合、ハードロック、ヘヴィメタル愛好家向け雑誌「BURRN!」の主要読者は40歳以上の中高年ということらしい。往年の音楽ファンたちが、それぞれの青春時代を彩ったバンドを今も応援し続けており、市場の下支え役となっているわけだ。当然のことながら、楽器メーカーは海外販売比率を伸ばしておりヤマハ、河合楽器、ローランドの大手三社とも海外売上高が国内を上回る。イベント業界としてはライブ・エンタテインメント市場の伸長は好材料なのだが。

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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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