世界らん展 10万株に13万人集まる

蘭(らん)の栽培家や愛好家が集まる「世界らん展」が、2月11~17日に東京ドームで開催され、13万3474人が来場した。栽培家たちが手塩にかけた作品が10万株、250万輪並んだ。

出品された蘭は41部門に分類され、開催当日までに審査を受けた。各部門のトップから選ばれた日本大賞の受賞者には、賞金200万円と副賞としてメルセデス・ベンツA180が贈られた。

賞を獲得する蘭の中には、一鉢で300万円の値段が付くものもある。ここ数年は、アマチュアの栽培技術が上がっており、プロを差し置いて大賞を獲得することも珍しくない。ネットで情報を得やすくなったことや、1つの鉢に割く時間と手間はアマチュアに軍配が上がりやすい。数年前に500円で買った鉢で日本大賞を受賞した例もあり、育て方一つで大きく化けるのが蘭の世界だ。

終戦間もない1947年に銀座三越の催事場で始まったらん展が、現在の規模に拡大したきっかけは1987年にさかのぼる。各国の蘭研究家が集まる「世界らん会議」が東京で開かれることになり、展示会組織が拡充されたのだ。

蘭は「洋蘭」「東洋蘭」「和蘭」の3つに大別できるが、87年ごろまではそれぞれの愛好家団体が別々に活動していた。反目していたわけでもなく、お互いの存在を知らないため交流がなかったのが実態で、「世界らん会議」をきっかけに交流が始まった。87年に神奈川県川崎市の向ヶ丘遊園に作られた仮設テントで行われた展示会は、89年に東京ドームに会場を移し、現在の形となった。

10年前は一鉢1000万円超えも

蘭を愛(め)でる風習は18世紀の後半に英国で始まったと言われる。保湿、加湿が必要な「カトレア」という品種の栽培が、ブルジョア層の遊びとして流行した。日本では、徳川11代将軍家斉が和蘭の一種である「風蘭」を楽しんだといわれ、明治期に入ると洋蘭の愛好文化が持ち込まれた。

だが、10年前をピークに値段は下がり始めているという。当時は1000万円を超える値が付くこともあった。栽培技術に関する情報を手に入れる人が増えたため、かつては珍しかったものの数が増えてしまったことが背景にある。

生産農場の相模洋蘭園(神奈川県平塚市)を経営しながら組織委員会の幹事も務める大場利一さんは、必ずしもそのことを悲観していない。アメリカやドイツでも蘭の愛好家は多いが、もっと手軽な庶民の楽しみだからだ。「日本でも愛好者が増えてくれれば。裾野が広がるのが一番だから」

相模洋蘭園を経営する大場利一氏


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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