▲静岡県文化財団の前田幹夫専務

静岡市内の2つの展示会場が、首都圏で開催される大規模コンベンションの誘致に注力している。いずれも東海道新幹線の静岡駅南部にある展示会場で、両施設の使用を一括で受け付ける窓口を設けるなどして利用にかかる手続きを軽減する。沖縄県でMICE誘致・振興に向けた取り組みがはじまったほか、福岡市でも関連施設の整備方針を打ち出しており、地域振興のためMICEに焦点を当てる動きは加速している。

東京から1時間 好アクセスでPR

(公財)静岡県文化財団(静岡市)と(公財)静岡産業振興協会(同)は22日、東京都千代田区で展示会の主催者に向けて静岡市内の展示会の活用を促進するセミナーを開催した。展示会の主催会社など約20名が参加した。

静岡県文化財団は最大4626席の大ホールなどを持つ複合施設「GRANSHIP(グランシップ)」を運営する団体だ。コンサートや会議で使用されるホールや展示ギャラリー、国際会議にも使用される405㎡の会議ホールなどがあり、協会・学会によるコンベンションに活用されることが多い。昨年は(公財)日本学校保健会が主催する「指定都市学校保健協議会」などが開催された。

静岡産業振興協会はグランシップから車で5分ほどに位置する展示会場「ツインメッセ静岡」を運営している。東西にわかれる5400㎡と5000㎡の2つの展示会場があるほか、小展示場など含め延べ1万1900㎡の展示面積を持っている。「静岡ホビーショー」や「しんきんフェア」など展示会の開催が多い傾向にあるという。

両団体は昨年12月に大規模コンベンションの共同誘致に関する協定を締結した。連携した担当窓口を設けて、2施設を同時に利用する場合のスケジュールの調整など利用に関する相談や申し込みを受け付けるようにする。また、両施設をつなぐシャトルバスの手配も行い、案内サインの表示も統一する。

10月には主催者に向けて施設見学会も実施する。セミナーで登壇したグランシップの支配人・前田幹夫専務理事は「東京五輪の開催により2019~20年にビッグサイトで展示会が開催できなくなることを受け、静岡市内の展示会場での開催を検討してもらえるようPRしたい。展示会の開催でビジネスマンに来てもらうことで、地域の活性化につながると考えている」と話した。

PRのポイントはアクセスの良さだ。両会場は東海道新幹線の静岡駅からほど近く、また、東名高速道路の静岡ICから6㎞の場所に位置している。
静岡産業振興協会の赤堀和義課長は「東京から新幹線で約1時間。バスや在来線が通っているので、優位なアクセス環境にあると考えている」と話している。

静岡産業振興協会の赤堀和義課長

セミナーの参加者からは、展示会誘致に向けた助成金はあるかなどの質問が飛び交った。静岡県としては昨年、観光庁が実施する観光地域ブランド確立支援事業に、コンベンション施設を運営する(公財)浜松観光コンベンションビューローが採択されるなどしているが、展示会の誘致に対する助成制度はない。赤堀課長は「制度としてはないが、かつてコンベンションの開催に対して補助金を捻出したことはある。誘致の実績をつくることで、制度を設けてもらうよう自治体に働きかけたい」と話す。今後はこうしたPRを、いかにしてより多くの主催者に伝えていくかが課題となる。昨年12月に協定を結び共同でPRをはじめたものの、実際に誘致できた案件はまだない。前田専務は「まだ活動を始めたばかり。こうしたPR活動は初めてなので不慣れな部分もあるが、しっかりと主催者に静岡市の魅力を伝えたい」と意気込む。

静岡県から在来線で1駅で3分、ツインメッセ静岡とは車で約5分


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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