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コーセー長瀬産業 バイオ関連 フランス進出
- 2017/11/10
- フランス
バイオ関連 フランス進出
ユーロバイオメットは、マルセイユやモンペリエを中心とする南フランス地域のバイオ関連技術企業を支援する産業クラスターとして、2009年に設立された。
南仏地区に拠点を置く260社が加盟し、ヘルスケア、高齢化、医療機器、創薬関連企業が参加する。大手企業もいるが、ベンチャーや中小の研究機関、技術開発企業が多く、単独で世界展開が難しい彼らに代わり、提携先や投資家の開拓を行う。
地域の研究機関に海外から投資を呼び込み、新会社を立ち上げることに積極的だ。スタッフのSUMMERCAMILLEによると、毎年10社程度の新会社を設立している。
日本からフランスに進出する企業の総数は490社に達し、7万4000人の雇用を生んでいる。元々は1980年代から始まった自動車部品や、IT、農業関連企業の進出が早かったが、この10年は創薬・医療機器といったバイオ関連が中心だユ ーロバイオメットに参加する企業では、1996年に現地の血液検査装置メーカーを買収した堀場製作所(京都市)が古く、フランスで1000人以上を雇用する。大塚ホールディングス(東京都千代田区)は、2004年に現地法人を設立し、2008年からはトゥールーズ近郊の地元の健康産業に投資を始めた。フランスでの雇用は3000人を超す。
フランス第2の都市リヨンを中心にバイオ系企業を束ねる産業クラスター、リヨンバイオポールも今回来日した。リヨンは伝統的に化学、繊維業が強い地域で、そこから派生してバイオ関連の研究機関が強くなった。活動を始めたのは2005年。
今では、外国籍企業だけで130社が参加し、そのうち、70社が日本の企業だ。今年になってから日系バイオ関連企業の進出が活発になっており、7月にはコーセーが欧州初の研究拠点を開設し、長瀬産業も8月に化粧品原料の販売と研究機関との提携を目指しリヨン支店を開設している。
日本の存在感増している
ここ数年で、日本の企業の海外進出意欲が非常に高まっていると感じている。それぞれの企業の担当者と話していても、非常にオープンだ。リヨンのバイオ研究関係者の間でも、提携相手・投資家として存在感を増していることは間違いない。大企業からベンチャーまで、進出企業の数も特にこの5年ぐらいの間に増加した。マクロン政権は海外の企業の呼び込みに積極的で、今がフランスにとってチャンスだと感じている。
事業化ペースもっと上げたい
バイオベンチャー関連で投資先を探す日本の企業は多く、今回も多くの商談ができた。新会社の創設は年間10社程度では少なく、もっとペースをあげられると感じている。日本との間では三井不動産が運営するベンチャー企業支援組織「LINK.J」とも提携しており、両国のベンチャーをつなぐ取り組みも始めている。大企業の場合、南仏はEUやアフリカも視野に入れた地中海沿岸一帯の拠点としても地理的に優位性がある。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。