第3回 来場者から入場料 【ドイツの展示会は何がすごい?】

 
  • 2017/8/25
▲ミュンヘン見本市会場は展示場内と場外合わせ、60万㎡に及ぶ

1社で5000㎡使う企業も

 ミュンヘン見本市会場の中央には高さ86mの塔が立っている。1998年のオープンにあわせてつくられたこのモニュメントは、かつてこの場所にあった空港の管制塔を思い起こさせる。

 空港跡地というだけあって、他都市に劣らず敷地は広い。屋内展示場20万㎡の他に、40万㎡の屋外展示場がある。これらすべての敷地を使う展示会もあるのだ。それが建機や建設資材の企業が出展する「bauma」だ。

 3年に1度の開催で、1週間の会期中に世界200カ国から58万人が訪れる。出展企業も、2016年は58カ国から3423社が参加したというから、世界規模の展示会といって、言いすぎではない。主催のメッセ・ミュンヘンにとっても、ここまで大きな展示会は数える程度で、少なくとも屋外すべてを使用する展示会はbaumaだけだそうだ。

 屋外展示場と聞くと、雨に濡れて使い勝手が悪そうだが、クレーンや重機など館内に運べない商品を展示する企業にとっては都合がいい。バイヤーが購入を検討している場合は、実際に操縦させるため、1社で5000㎡を使用する企業も珍しくないという。展示スペースに、一見すると仮設とは思えない、2階建ての立派な建物が立つこともあるそうだ。

 建物が立つくらいだから、ドイツのブースは総じて豪華だ。「たった1週間のために、少々見栄を張り過ぎでは」と思いたくなるが、彼らには投資するだけの理由がある。

 ドイツの展示会では来場者に入場料を課すのが一般的だ。「bauma」の場合、1日22ユーロ(約2860円)、通し券で59ユーロ(約7670円)だ。高い安いはさておいて、この料金だと「ちょっとのぞきに行く」「パンフレットだけ集めて帰る」人は、まず来ない。飛行機に乗って、あらかじめ時間を割き、お金を払ってやってくるのが来場者なのだ。

 建機・重機のような高額商品になると、決済を判断するのは多くの場合経営者だ。取引先の経営者が集まる以上、出展企業も経営者が参加する。忙しい経営者同士が顔を突き合わせて話をする以上、オープンスペースだけというわけにもいかない。サインを交わす儀式のために集まっているわけではないのだ。

 そう考えれば、2階建ての建物が立つ理由も見えてきそうだ。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎

国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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