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愛知県IR検討開始 知事が有識者会議を招集
- 2017/8/25
- 北陸・中部
▲3日、地元大学教授ら6名の有識者会議を開いた
愛知県がカジノを含む統合型リゾート(IR)施設の誘致について検討を開始した。県は3日、IRを含む国際観光都市としての機能整備に関する有識者研究会を初めて召集した。メンバーは名古屋大学大学院の黒田達朗教授のほか地元大学の教授ら全6名。
研究会はMICE誘致など観光都市としての機能強化について話し合うもの。否定的な意見はなく、「IRを考える場合、カジノはMICE施設のエンジンとしての役割を担うということになるが、不安をどう解消するのかということは重要。地域の不安を解消していく、徹底して説明していくというプロセスが重要」や「ラスベガスでは、カジノ収益が減少する代わりに、エンターテインメント部門が収益を上げており、家族層が増えた。
海外では、日本のポップカルチャーなどの新しい文化も人気が高く、そういった要素も魅力的である。愛知の場合は、産業の集積地であることを生かした目玉を考えるといい」など経済効果についての意見があがった。
大村秀章知事は、かねてよりIR整備を進めることで観光産業の活性化につなげたい考えを示している。特に照準を絞るのは展示会や国際会議などのMICEで、東京など都心部に集中している現状の打破を狙う。
県は中部国際空港(常滑市)がある空港島に展示面積6万平米規模の展示場「愛知県国際展示場」を2019年秋までに建設する予定を進めており、20年の東京五輪開催で都心部の展示場が使用できなくなる問題に乗じて主催者へPRを図る算段だ。今回、同じ空港島にIR施設を整備することで、国際展示場への誘客を活性化させる狙いもある。
大村知事は研究会終了後、「コンベンションやビジネスマッチング、展示会について、日本は世界の流れに取り残されてしまったのではないかと思う。こうしたビジネスマッチングの事業、需要をもっともっと掘り起こしていかなければいけないと思っており、チャレンジしていきたい。その後押しとして、IRも考えていきたい」と話した。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。