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町をあげてミュージシャン育成 音楽で町興し
- 2017/8/10
「いきものがかり」「TUBE」ゆかりの地・厚木
11月26日、厚木市で「あつぎミュージックフェスティバル」が開催される。主催は厚木市と(公財)厚木市文化振興財団で、市内の大学や企業などと共同でおこなっているイベントだ。市がこうした音楽イベントを開催する背景には、市民や地元企業とともに「音楽のまち」としてブランディングする狙いがある。
フェスティバルは著名な音楽アーティストのほかに、先行して実施する若手アーティストのオーディションの優勝者も演奏する。オーディションの優勝者は同イベントで大物アーティストと共演できる権利を得られるほか、大手音楽事務所による楽曲のネット配信など、本格的な音楽活動を支援される権利も付与される仕組みだ。
市が特に力を入れているのが、この先行オーディションだ。参加者は30歳以下の市民、あるいは市内の企業に務める人。市として若者の音楽活動を支援することで、地元から有名アーティストを誕生させることにつなげる。ひいては、「若者の音楽のまち」というブランドづくりにつながる、というわけだ。
厚木市文化生涯学習課の木村加代子課長は「これまでクラシックのコンサートなどといった音楽イベントが実施されることは多数あったが、若者向けの音楽イベントはなかった。市民参加型のイベントをおこない市内外から人を呼び込むことで、地域の産業を活性化させ、同時に市の魅力を高めることができると考えている」と話す。
厚木市出身の音楽アーティストは多い。アイドル歌手の榊原郁恵や小泉今日子、バンド「TUBE」のボーカル前田亘輝。2016年にはバンド「いきものがかり」のボーカル吉岡聖恵が厚木市出身だったことから、隣接する海老名市と市内の2会場で計4日間の音楽イベントを実施し、10万人が訪れた。
こうした市の魅力を若者に発信することで、さらなるブランディングを図ろうというのが、市の狙いでもある。あつぎミュージックフェスティバルは今回で4回目。前回オーディションで優勝した高森峻さんは昨年11月に音楽事務所「TOY’S FACTORY」から楽曲を発表。市内の成人式などのイベントで演奏するなど、活躍を続けている。
「オーディションには参加者の友人や応援団なども参加し、音楽活動を応援することも多い。このイベントを通じて、いわば町ぐるみで若手アーティストを応援する流れが出来上がりつつある」と木村課長は語る。オーディションには約50名の若手アーティストが応募するという。音楽を通じた町興しが、今後の大物ミュージシャン誕生につながるかもしれない。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。