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五輪会場問題アンケート8割超が対応に不満
- 2017/7/10
- 東京オリンピック・パラリンピック, 東京ビッグサイト会場問題
「業界は納得している」に〝待った〟
(一社)日本展示会協会(以下、日展協・東京都千代田区)は20日、展示会主催・支援会社の8割超がビッグサイトの会場問題に対して「いまだ解決していない」と回答したアンケート結果を公表した。「解決した」と回答したのは全体の約1%にとどまり、ほとんどの企業が現状の対応策に不満を持っていることがわかった。
アンケートは日展協会員である主催者60社、支援会社237社に対して行われた。そのうち、主催者48社、支援会社169社が回答した。主催者に対しては、複数の展示会を開催している場合には1展示会ごとに回答を求め、同時開催展として来場者が重なるものに関しては1展示会とみなした。
アンケートは選択式で、会場問題に対して「解決している」「していない」「(問題が開催期間に)該当しない」の3つから選ぶ形で回答を求めた。
その結果、主催会社では「している」が1件(1・3%)、「していない」が69件(86・3%)、「該当しない」が10件(12・4%)となった。支援会社は「している」が2社(1・2%)、「していない」151社(89・3%)、「該当しない」が16社(9・5%)となり、全体の8割超の企業が問題の解決がされていないと考えていることが明らかになった。
解決していないとする理由として、仮設展示場の規模が現在のビッグサイトの約4分の1の大きさであることや、他の展示会場での開催が難しいことなどが挙げられた。支援会社からは「五輪開催による特需はわずか1~2カ月だが、展示会が長期間中止になると減収が計り知れない」との意見に多数賛同が寄せられた。
東京都はビッグサイトの利用を制限する問題に対し、同施設から約1・5㎞離れた場所に2万3200㎥の仮設展示場を建設することで対応するとしている。東京ビッグサイト(東京都江東区)が4月に主催者・支援会社などに向けて実施した会場問題に関する説明会では竹花豊社長が「(業界の人には)納得いただいた」とも話していたが、今回の調査はそれを覆す結果となる。
日展協によると、ビッグサイトが全館利用できなくなる2020年5~9月の5カ月間で、合計125本の展示会ができなくなるといい、展示会が中止になることにより出展者が受ける売上損失額は約1兆125億円にのぼる。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。