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長谷川遼平のイベント取材日記(15)
- 2017/6/12
イベント成功の可否
かつて桑田真澄さんは「一心フランに根性だけで練習したことは一度もなかった。やるべきことを精査し、効率性を重視しながら、練習を積み重ねていた」(心の野球―超高率的努力のススメ)と書いた。部活動で今も続く、盲目的な「根性論」の練習を否定するかのような言葉に、目が覚める思いをした者も多いだろう。
「それまで2万人近く集まったが、ビジネスマン向けの展示会にしたことで、来場者数が2500人になった」。いたばし産業見本市を開く板橋産業振興公社の川口純志さんは語る。木・金・土曜の3日開催を、木・金曜の2日開催に短縮。一般来場者は大幅に減ったが、結果、出展者からは好評を博した。
イベントの良し悪しを測る基準に、来場者・出展社の数があるが、量より質という言葉もある。誰でもいいから人さえ集まればよい、という見方をする出展者は一人もいないだろう。とはいえ、規模縮小すると、勢いがなくなったと見る出展者もいるだろう。たやすくできるものではない。
先日、文科省が教員の勤務実態を調査し、部活動の負担が大きいとの状況を発表した。これを機に練習の効率化も進むだろう。イベントはどうか。人集めよりも大切な価値もあるはずだ。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。