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現地バイヤー呼び商談会
和歌山市は、5月23~26日、カナダの小売大手のバイヤーを呼び、地元の食品関連企業との商談会を開催している。小売会社の本拠地があるリッチモンドと和歌山市は姉妹都市であり、近年経済的な関係を深めている。現地で農作物やしょうゆなど日本の食材に対する関心度が高かったことから、今回初の開催となった。
来日するのはカナダ西部で158店舗を展開する「Overwaitea Food Group」のバイヤー2人だ。地元からは県にも声をかけて17社が参加した。生産現場や飲食店、青果市場の視察も行われた。
バイヤーが来日する目的は、2018年度中にリッチモンドの店舗で開催を目指す「和歌山フェア」に並べる商材の選定だ。現地では健康やオーガニック食材に対する意識の高さから、市民の間で日本食への関心が高いようだ。和歌山市は、昨年10月に尾花正啓市長が現地を訪問し、経済交流に向けた覚書きを交わすなど、関係を深めている。その中で、地元の名産である新ショウガなどを持ち込み、バイヤーの高い評価を得たことが、今回の来日やフェアの企画につながった。
和歌山の食材を口にした現地の投資家から「和歌山の農業生産者をよこしてくれ、と相談されたこともある」と話すのは産業まちづくり局観光国際部の沼丸晴彦課長だ。青果品の場合、現地の店頭に並ぶのはカナダ産、アメリカ産、中国産が多い。その中で一番味が良いのは中国産なのだ。沼丸課長は和歌山の地元産品であれば高級食材として戦えるという自信がある。
姉妹都市との交流 1年前から
和歌山市がリッチモンドと姉妹都市となってから、来年45周年を迎える。だが、長い間両都市の交流は学生のホームステイなどの人的交流に限られてきた。流れが変わったのは、1年前に市が策定した「産業振興ビジョン」がきっかけだ。市として地元産品の海外販路拡大を支援することがうたわれ、既に関係のある姉妹都市から始めることになった。他都市との交流も盛んだ。20日には台湾の台北市文化局とも提携し、文化施設でお互いの都市をPRするブースを設置することが決まった。姉妹都市は米国、韓国、中国にもあり、関係構築を積極的に推し進める考えだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
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2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。