農水産物の増加 メキシコセミナール第3回

輸入アボカドの9割はメキシコ産

2005年のEPA発効以降、メキシコから日本への輸出は大きく増加した。2004年には11億9100万ドルだった輸出額は2014年には26億800万ドルと2倍以上に増加した。その中でも特に農水産物の増加が著しい。

例えば、アボカドの場合であれば、日本が輸入するものの90%をメキシコ産が占めている。沖合冷凍クロマグロ(83%)、カボチャ(50%)、アスパラガス(49%)、塩(46%)などの品目でもメキシコ産が占める割合が大きい。小売店でメキシコ産の表記を目にする機会も増えている。

EPAを締結するメキシコとの貿易における日本のメリットは関税割引の利用にある。牛肉や豚肉、オレンジなどは特恵関税の対象となっている。また、ハチミツ、バナナ、革製品などは、一定量まで関税がかからないため、取引額は増加傾向にある。

この他にも関税割引の利用額制限を超えていない製品が多くある。毎年3月に幕張メッセで開催されるFOODEXには、平均80社程度のメキシコ企業が農産品や加工食品のプロモーションをするために出展しており、今年が10回目の参加となった。

食品以外の投資分野でも、展示会や見本市への参加が相次いでいる。東京モーターショー(2013、2015)、国際航空宇宙展(2008、2012、2016)、東京国際航空宇宙産業展(2009、2011、2013)、航空宇宙産業技術展(2010)、エアロマート名古屋(2014)、昨年は東京ゲームショウにも参加した。メキシコからは民間ゲームメーカーが10社出展し、メキシコで開発されたPS4用ゲームやVRゲームを紹介した。

一般市民を対象にしたイベントでもメキシコに関係するものが増えている。近年は東京だけでなく京都、仙台、沖縄など日本のさまざまな都市でテキーラフェスタが開催されるようになった。代表的なものは、メキシコの祝日5月5日の「シンコ・デ・マヨ」や、9月16日の独立記念日前後には、「フィエスタ・メヒカーナ(メキシコ祭り)」として行われるものだ。

メキシコのモンテレイ工科大学在学中の1998年、上智大学比較文化学部の交換留学生として来日。7年間日本の企業や政府機関に勤務。2006年、The Berlin School of Economics(独)にて経営学修士(MBA)を取得。07年1月から現職。

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