- Home
- イタリアで見つけたスペインの洗面ボウル~われらイベント人~
イタリアで見つけたスペインの洗面ボウル~われらイベント人~
- 2017/3/9
▲灰一(滋賀県草津市)の灰谷佳治社長
柔らかな質感と形状を生かすコーティング技術
ビニールチューブのような見るからに柔らかな質感、ドーナツのような丸みを帯びたデザイン、10種の鮮やかなカラーバリエーション。それだけを見ると、一瞬何だかわからないが、これはすべて洗面ボウルだ。
灰一(滋賀県草津市)の灰谷佳治社長がイタリアの見本市で見つけ、一目ぼれしたものだ。スペインのメーカーから国内販売権を取得したのは3年前のこと。ほうろうやステンレスでは作れない質感と形状にひかれた。だが、仕入れてすぐに出荷しているわけではない。国内に持ち込んだ後、汚れをつきにくくするためのコーティング加工と、水栓金具を交換して販売している。
何もしないと、傷がつきやすく、日本人相手ではクレームになりかねないと判断したのだ。「欧州人は気にしないんだね」と灰谷社長も若干驚き気味だ。だが、苦労はここから始まった。弾力性のある素材を生かしたまま、コーティングする技術を見つけるのに3年を要してしまった。「日本中の加工会社を歩いたよ」。満を持して発売したのは2015年だ。
保育園や小児科、歯医者など子供が集まる場所での導入が相次いでいる。弾力性のある質感が生む柔らかな雰囲気が、子供よりも親世代に好評なのだそうだ。
国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。