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経済効果失う五輪に意味はあるのか~シリーズ五輪の影②~
- 2017/2/8
- ネプコンジャパン, ビッグサイト会場問題, 東京オリンピック・パラリンピック
▲三幸通通商の鈴木正人次長
うちの売り上げ、補てんしてよ
「うちの営業は、1月に開かれる『ネプコン』に合わせて動いているんですよ」。そう語るのは、外観検査器メーカーの三幸通商(東京都中央区)の鈴木正人次長だ。
同社では1月にビッグサイトで開かれている『ネプコン・ジャパン』を、「一年で最も重要な日」と呼んでいる。会期の3日間で集まる名刺は約900枚。2月からは来場者への営業フォローを行い、すべてを回り終え、取引にまで発展させるには10月までかかる。11月になると、次年度のネプコンへの出展するための企画を練り、準備を終えるのが12月。同社の新規営業の7割が同展示会で得た顧客で、同社の営業部のすべてがこの展示会に詰まっているという。
五輪によってビッグサイトでの展示会がどうなるのかを考えると、不安が募る。ビッグサイトの代わりに地方会場で開催されることも考えられるが、海外顧客の獲得のためには、東京開催を無くしてほしくない。どんなに大きな会場であっても、東京開催でなければ海外来場者は減る、というのが鈴木次長の読みだ。
「五輪は日本の経済活性化のためにやるものでしょう。ビッグサイトで開催されている展示会は、はっきり言って五輪よりも経済効果が高いですよ。それなのに、五輪開催で展示会の場が奪われるなんて、絶対におかしい。そんなことするなら、うちの売り上げを補てんしてよって言いたいですよ」
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。