ソーシャルバイヤー 中国小売市場で存在感 @ソーシャルバイヤーEXPO

 
  • 2019/7/10

ソーシャルバイヤー その実態は日本で生活する普通の中国人

 日用品や化粧品などの中国人向け小売市場において、ソーシャルバイヤーと呼ばれる人たちの力が、依然として強いようだ。

▲5年ほど前からソーシャルバイヤーの存在に注目してきた倉澤朋也執行役員

 2019年1月に中国政府が施行した電子商務法により、納税を免れようとする個人バイヤーの活動に規制がかけられ、一時は彼らの多くが活動を停止するという臆測も流れた。だが、中国当局の目的は、税の徴収や不正な取引を取り締まることにあり、ソーシャルバイヤーの存在そのものを問題視しているわけではないようだ。5月に開催されたソーシャルバイヤーを集めた商談会では、彼らの力に期待する日本のメーカーが、大手から中小企業まで多数出展した。

 ソーシャルバイヤーの仕事は、消費者の代わりに買い物をし、消費者の元に依頼された商品を送ることだ。彼らと日本メーカーを引き合わせる商談会を開催するトレンドExpress(東京都千代田区)の倉澤朋也執行役員によると、個人のSNS利用が浸透した中国では、5000〜1万人の顧客を持つ人が大勢いるという。特に、日本に住む中国人留学生、駐在員、その実態は日本で生活する普通の中国人家族らが重宝され、中には、年間億単位の利益を上げる人もいる。

▲5月に行われた「ソーシャルバイヤーEXPO」には1000人の在日ソーシャルバイヤーが来場した

 中国で生活する消費者には、日本の店舗で販売されている商品を手に入れたい人が多い。中国国内で偽物が多いことが理由の一つだが、それだけではない。日本人が本当に使っていることを確かめたい欲求もあるようだ。「どんな情報も半信半疑で捉えている中国人は、気になる日本製の商品について情報を得たとき、本当に日本で使われているのかを確かめる相手を求めている」(倉澤執行役員)

ソーシャルバイヤーはKOLとは異なる役割

 化粧品や食品を中国で販売するアイケイ(名古屋市)の熊澤敬二取締役は、中国向けのプロモーションとして、KOL(Key Opinion Leader)と組みながら、販売チャネルとしてソーシャルバイヤーの囲い込みに力を入れてきた。「中国の消費者は自分が信じる人が使っているものを、使いたいのだ」(熊澤取締役)

▲アイケイ(名古屋市)の熊澤敬二取締役は中国市場向け販売チャネルとしてソーシャルバイヤー囲い込みに注力

 SNSフォロワーを抱える存在としてKOLは、ソーシャルバイヤーと混同されやすい。「だが、両者は異なる存在」と熊澤取締役は話す。KOLはフォロワーのライフスタイルに対して影響力を持つ存在だ。商品を売る力にたけたKOLもいるが、発信する情報に魅力がなければ影響力を失ってしまう。そのため、対価を積んだからといってどんなプロモーションにも協力してくれるというわけではない。一方で、ソーシャルバイヤーの仕事は注文を受けた商品を買い、送ることだ。

 中国商務部の発表では2017年、中国のEC小売総額は123兆円だった。「このうち6割が企業と個人による取引で、残り4割が個人間取引だといわれている。信頼できる人から買う、中国の商習慣が続く限り、ソーシャルバイヤーがいなくなることはないのでは」と前述の倉澤執行役員は話した。

バイヤー向けの仕入れ支援サービス

 トレンドExpressは、電子商務法の施行を受けて、ソーシャルバイヤー向けのウェブサービス『ワールドx』を始めた。『ワールドx』で商品を発注すると、関税の支払いをはじめとする新法の基準が全てクリアされ、メーカーから直接消費者に商品が届けられるというものだ。ソーシャルバイヤーは店頭やECサイトなどこれまでの商品仕入れ先を変えることになるが、消費者とのやり取りに変化はない。日本に在住するバイヤーしか使用できないサービスだが、すでに3000人が登録したという。


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