「JAPANドラッグストアショー」消費者向けイベントとして発展

▲日本チェーンドラッグストア協会の事務総長を務める宗像守氏

日本チェーンドラッグストア協会(神奈川県横浜市)が主催する、「JAPANドラッグストアショー」の来場者ターゲットは消費者と業界関係者の双方だ。そのため、会期は金曜から日曜に設定される。毎年13万人が会場の幕張メッセに訪れるが、両者の比率はほぼ半々だ。

ドラッグストアショーが始まったのは17年前だが、当初は、今よりも消費者の方を向いていた。このイベントが、ドラッグストアチェーンの地位向上を目指したものだったからだ。今でこそ、薬、化粧品、日用品、お酒、食料品などを販売する小売店として市民権を得ているが、20年ほど前は「安売り店」のイメージが強かった。これを拭い去ることがイベント開催の目的だった。

一方で、協会加盟社の店舗が増え、流通における各社の地位が上がるにつれて、各社の仕入れ担当者に商品を売り込みたいメーカーの出展が多くなった。そこで、昨年からは、会期が始まる前日に商談会専門の日程を設けている。

国との折衝で培われた強い結束力

名だたるドラッグストア141社が加盟する協会正会員の売り上げ総額は、6兆1139円(2016年8月時点)で、例年2~3%の拡大が続いている。今期に関しては6%増を達成しようという勢いだ。ここには17年前の協会設立以来、取扱商品の拡大に向けた協会活動が大きく寄与している。

最大の成果は、薬剤師がいない店舗でも市販薬の一部を販売することを認めた「登録販売者」制度を国に認めさせたことだ。薬事法の改正により2009年に始まった制度の成立は、各社の悲願だった。薬剤師不足による出店制限から解放されただけでなく、改正後も薬剤師が常駐しなければならない調剤薬局事業進出への扉も開いたからだ。今日まで、薬に加え、食料品や酒類など取扱商品を増やすことで、ドラッグストアは市場を拡大してきた。そして今、薬事法の再改正が検討され、新たな変革期が訪れようとしている。だが、今回は必ずしも追い風とはいえない。薬の販売が、ネットを含め一般の小売業にも解放されようとしているからだ。

1999年の協会設立以来、事務総長を務める宗像守氏は「最大の脅威はコンビニエンスストア」と話す。小売業界の王者との間には、大きな差があるからだ。「コンビニとドラッグストアのレジでできることの差をみれば、考えるまでもない。その仕組みを整えるためにコンビニは莫大な投資をしてきたのだ」

黙っているわけではない。協会は、攻められる側となるドラッグストアが目指す姿を「次世代ビジョン」として、3月17日のドラッグストアショー初日に会場で発表する。「我々にしかできないサービスを提供し、消費者の評価を勝ち取る」


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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