繊維技術アピールのため展示会に出展し続ける石川県かほく市【自治体の出展戦略】
- 2020/9/14
かほく市商工会(石川県かほく市)
@東京インターナショナル・ギフト・ショー、JFW Japan Creation

出展費は商工会が全額補助
かほく市商工会(石川県かほく市)がターゲットとしているのは、繊維関連の展示会だ。かほく市は古くから繊維産業が盛んな地域で、ピーク時には約700社の繊維関連会社があった。現在では約70社まで落ち込んだものの、歴史ある地元の繊維技術をPRするためならと、商工会が出展費用を全額補助して企業の展示会出展を支援している。
4年前からは「東京インターナショナル・ギフト・ショー」と日本最大の繊維総合見本市「JFWJapanCreation」への出展を続けている。前回の「ギフト・ショー」では地元企業11社が出展。織ゴムや平ゴム紐、機能性靴下、ベルトの紐など、繊維技術を生かした商品ばかりだ。商工会の源和宏さんは「石川県の商圏といえば、数年前までは関西寄りだった。しかし、2015年に北陸新幹線が開通してからは関東へ進出意欲も高くなっている。また、以前は下請け仕事が多く業績に波があった企業も、ここ最近は自社ブランドを展開するようになってきた。そうした地元ブランドをアピールしたいというのも、展示会出展を支援する理由の1つだ」と語る。
自社ブランドを立ち上げているのは繊維関連企業だけではない。商工会メンバーである板金加工会社も、最近は自社の技術を生かしてアクセサリーの製造も展開するようになった。「地元の繊維業は市場変化による影響から下請け脱却の機運が高まった。こうした流れは製造業も同じ」と源さんは語る。
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20代後半から出版社に勤務。中小企業向けの経営情報誌「COMPANYTANK」元編集長を経て、40歳でフリーに。2017年から国際イベントニュース編集部にも参加。趣味は麻雀と競馬。学生時代は雀荘で働き、腕を磨いた。