北陸新幹線開通後の観光需要を見据える福井県あわら市【自治体の出展戦略】
- 2020/9/21
あわら市商工会(福井県あわら市)
@スーパーマーケット・トレードショー

出展費は商工会が全額補助
あわら市商工会(福井県あわら市)は地元の特産品をアピールするため、2015年から大規模展示会への出展を開始した。同年に市の特産品ブランド『越前あわらブランドa』を立ち上げたことがきっかけだ。
当初出展していたのは「グルメ&ダイニングスタイルショー」だ。小売り大手のバイヤーが多数来場したが、取引量が合わず成約しないことも多かった。商工会の大塚稔さんは「地元の企業は家族経営や従業員10人未満の小規模な会社が多く、大手が求めるような大量生産に対応できない。まずは少量で取引できる小売店を探したい」と語る。新たな取引客を求めて、今年初めて「スーパーマーケット・トレードショー」に出展した。
あわら市は福井県の北部に位置しており、寒暖差が激しい。酒井丘陵と呼ばれる肥沃の土地ではフルーツや野菜の栽培が盛んだ。出品した商品は甘酒やトマトジュース、いちごジャム、鯖ずしなど6社の商品。中でも、ブランド米の「いちほまれ」を使用した甘酒は、甘味が強いとバイヤーから好評だという。
出展費用は国からの補助金を使って全て商工会が負担している。「3年後に北陸新幹線の金沢〜敦賀駅間が開通するのを契機にもっと多くの人に特産品を買ってもらうため、今からPRをしている」と大塚さんは語る。
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20代後半から出版社に勤務。中小企業向けの経営情報誌「COMPANYTANK」元編集長を経て、40歳でフリーに。2017年から国際イベントニュース編集部にも参加。趣味は麻雀と競馬。学生時代は雀荘で働き、腕を磨いた。