第3回 出展企業が毎日変わる「Web Summit」[世界のイベント会場を歩く]

 
  • 2020/7/9

 「海外の展示会を歩かせたら、日本で3本の指に入る(かも)」と豪語する、コムエクスポジアム・ジャパン(東京都港区)の古市優子社長が、前回に続き、ウェブ界隈のエンジニア、経営者、投資家が集まる「Web Summit」(ポルトガル・リスボン)についてレポートします。


▲初めての人同士でも出会いやすいように、目印になるようなサインやモニュメントがたくさんあります

 こんにちは。コムエクスポジアム・ジ ャパンの古市優子です。前回は、「Web Summit」のアプリに組み込まれたAIが、参加者の関心に合わせて提供する情報精度の高さについて話しました。主催者がこの技術で実現しようとしているのは、ネットワーキング、という言葉で表現される参加者同士の出会い、つながりの創出です。参加者がイベントに求めるものは個人で異なり、出会いたい相手も違います。そのため、開催前に提供する情報も、個人の求めに応じて内容を変えています。

 月2、3回の頻度で配信される「Web Summit」のメルマガは、参加者によって受け取る内容が異なります。例えば、登壇者の情報についても、表示される内容は送る相手の関心に合わせて違うのです。私が参加した時も、一緒に参加した同僚とは違うメールが毎回届きました。受け取る側にしてみると、自分のために届けられた内容は、それがPRだったとしても参加意欲をかきたてられるものです。時には「日本からこんな人も来るみたいだけど、あなたは来ないの?」といった誘いもあります。これらが全てAIにより作られているのです。

 出会い、つながりを提供するための工夫は、会場でも見つけることができます。出展企業が自社のブースに関係者を集めたり、商談相手を商談ブースに連れて行くことは、展示会の一般的な風景ですが、「Web Summit」では初めての参加者同士によるミーティングも多くあります。そのため、会場内にたくさんのミーティングスペースが設けられ、初めての人でも待ち合わせがしやすいように、それぞれの場所にサインやモニュメントが設置されます。また、海外のイベント全般に言えますが、サインは文字が少なく、見るだけで意味が分かりやすいものが多いと感じます。

▲毎日出展企業が入れ替わるため、準備が簡単な出展パターンも用意されています

 運営で驚いたのは、出展企業が毎日入れ替わっていたことでした。参加者にとっては、毎日新しい出会いがあるため、会期を通して参加し続ける動機につながります。毎日、期待感を持って会場に行く喜びは言うまでもありません。主催者にとっては、いうまでもなく売り上げ額が上がります。出展者にとっては、商談の日、ネットワーキングの日と、1日ごとにタスクを切り替え集中することができます。「1日しか出展できない」というネガティブな声は聞かれませんでした。「今日は出展で忙しいから明日ネットワークしよう」という気持ちになるようです。

 価格設定も絶妙で「出展するとパスが3枚ついてくるので、定価で3人で参加するよりも、出展する方がコストパフォーマンスが高いかも」と思えるようになっています。また、誰もが設営、撤去の手間を軽くしようと考えるので、ブースディスプレイもデザインしたデータを送るだけで済むような軽いものが中心でした。


古市 優子古市 優子
フランスに本社を置く、展示会主催会社の日本法人、コムエクスポジアム・ジャパン社長。仕事柄、年間20回程度、海外展示会に参加する。
「アドテック東京」のイメージ刷新に取り組んだ1年

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