10年で売上3倍、営業利益は10倍に【イベント仕事図鑑】ゼオ

 
  • 2020/4/15

ゼオ(東京都渋谷区)黒井 宏昌社長

 1962年、北海道出身。88年、当時勤めていたディスプレイ会社の同僚と3人で起業95年に副社長、2002年から現職。07年にTYOグループの傘下に入り、グループの執行役員も兼務。


企業主催のカンファレンスが売上の8割

 ゼオ(東京都渋谷区)は、国内外のIT企業が顧客開拓のために開催するプライベートカンファレンスで、売り上げの8割を稼ぐ。その源流は1990年代から世界的PCメーカーの日本法人から引き受けたプライベートショーの運営にある。2007年に広告事業のTYOグループに入って以降の10年間で売り上げは3倍、営業利益は10倍に成長した。創業メンバーで代表者として18期目を迎える黒井宏昌社長に話を聞いた。

―企業が開催するカンファレンスの運営とは、具体的にどのような事業なのか

 自社のサービスに一定の関心を示した顧客対象を集め、代表者のプレゼンや既存顧客による実例を紹介し、契約を促すためのカンファレンスが大半で、この業務を一括して請け負う。具体的には、イベントの企画立案、セミナー講師のブッキング、ウェブサイトの立ち上げ、来場者やセミナー枠の管理、会場づくりや当日の演出・進行管理、プレゼン資料の作成、来場者のデータ管理とクライアント企業のシステムとの連携といったようなものだ。

―顧客は国内外の大手企業が多いようだが、広告代理店などとともに引き受けるのか

 広告会社が入ることはほぼない。顧客企業のマーケティング担当と、我が社の担当で完結する。特に外資系企業はこのようなイベントを広報と捉えていないので、代理店が介在することはない。外注するのは、ウェブのバックグラウンドの一部をシステム会社に出す程度だ。

―この10年で売り上げが3倍、営業利益が10倍になったということだが、要因は何か

 1案件の取扱額が大きくなった。特定の顧客向けにシステムを開発し、販売することが増え、1案件で1億円程度の売り上げが立つようになった。また、2007年にTYOグループに入ってから、財務や人事・労務の仕事を他に任せられるようになり、社員教育や事業計画に割く時間が増え、採用の質も上がった。結果として入社8~10年を迎えた社員の成長により、業績が上向いた。グループ入りするまで、10億円台を長い間行き来していた。

―カンファレンス運営のような事業を始めたきっかけは

 1988年の創業当初から当時珍しかったコンピューターを使いパースづくりをしていたことがきっかけで、ブースデザイン、プレゼン資料、映像制作を仕事として受けていた。映像やステージ演出で注目されるようになり、世界的なIT企業の日本法人と出会った。彼らが全国で行うプライベートショーの運営を引き受けたのが始まりだ。そこから他社に移る人が増えるに従って顧客が広がったため、現在も8割が外資系企業だ。

―近年、M&Aにも積極的なようだが

 17年にペッププランニング(横浜市)、19年にジゴワット(大阪市)をM&Aした。どちらも統合型リゾート(IR)の候補地として有力な地域に本社を置く。IRはカジノばかりが注目されるが、カンファレンス市場にとってこそ、大きな成長機会となる。地場企業が有利になると考え、横浜と大阪に本社を置きデジタルに強いイベント会社である、2社に注目した。

―今後はどのような成長を描くか

 プライベートカンファレンスの需要は、マーケティングオートメーション(MA)の発展に合わせて拡大した。MAが担うのは膨大な見込み先企業リストに対して、メールマーケティングなどを実施し、商品やサービスに関心のある企業の洗い出しを自動的に行う作業だ。現在、MAを導入するのは大手企業ばかりだが、今後は、中堅・中小企業に裾野が広がると考える。MAの販売代理店となり、中堅・中小企業向けにMAのカスタマイズやプライベートカンファレンスの提案を行う。SDGsも新しい顧客と出会う切り口になると考える。地方創生や課題解決を視野に入れた新たなビジネスを創出したい。 2027年に売り上げ100億円を達成することが大目標だ。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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