第3回 皆が同じ生活時間を過ごす[今日の中国]

 
  • 2018/11/10
▲ 我が社でも午前中に会議をすることはありません

 中国企業の始業時間も8~9時でほぼ統一されています。終業は大体18時です。日本における時間差という考え方はありません。ラッシュを避けるために出勤時間を調整したり、混雑する時間を避けて昼食をとる人はいません。残業も基本的にしてはいけない風潮があるため、多くの人の行動パターンを読みやすいです。

 以前、上海で大型ライフスタイルショップの経営に関わっていたのですが、近隣住民だけでなく、観光客、OL・ビジネスマンの行動を分析して、効率の良い商売ができました。OLは会社が終わった後、18時ごろから90分ほどかけて夕食をとります。その後、家に帰る前に1時間ほどショッピングを楽しみます。そこを狙って、20~22時の閉店間際まで、化粧品の実演販売を実施したのです。

 規則正しい生活を毎日繰り返す中国人は、会社における就業態度も午前中から実に規則正しいものです。朝、出社して最初に行うのは、自分のお茶の準備。以前書いた通り、お茶は中国人の生活に欠かせません。

 お茶の準備が整ったら、仕事を始めますが、午前中の仕事への集中力は実に素晴らしいものがあります。一日の仕事の充実が、午前中の仕事の進み方で決まることを誰もが認識しているので、おのずとこのような習慣がついたようです。よほどのことがない限り商談や会議は午後に設定されます。効率の良い時間帯に個人の作業を、効率の落ちる午後に皆でする作業をします。

 サービス残業や長時間労働といった日本の企業の問題を中国でも見聞します。皆が同じ習慣・方向の中にいると企業のマネジメントはしやすくなり、生産性も上がります。

 中国でそれができるのは人口の桁が違うから、と言われるとそれまでです。しかし、日本が先進しているという前提でいるよりも、まねできる部分は取り入れる方が、世界の時流に即したビジネスができると思います。

  この記事を書いている今、中国は独立記念を祝う国慶節休暇の7連休中です。というわけで、次回は、国慶節の中国人の過ごし方からビジネスチャンスをひも解いてみます。

狩野浩治氏

1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。


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