第10回 プロモーションの重要性が日本より大きい[今日の中国]

 
  • 2019/5/10
▲ 中国の稲妻は横に走ります

 廈門はすっかり夏です。日本でいう7月ごろの陽気でしょうか。朝晩は気温が下がり18℃前後になりますが、日中は25℃を超え半袖短パンで仕事ができます。南国特有のスコールのような雷雨もしょっちゅうです。今も大雨で、帰宅する時間ですが外にも出られず雨宿りのような状態でいます。

 皆さんは、横に走る稲妻を見たことがあるでしょうか。日本の稲妻は縦に落ちますが、中国では、横に走っていく感じです。理由についてはわかりません。知っていたらどなたか教えてください。

 さて、今回は私の本業、商品バイヤーの目線からお話しします。中国における商品バイヤーの仕事は、商品販売会社から商品を仕入れ、消費者へ販売することです。一連の基本的な作業は日本とほぼ同じです。異なるとすれば、製造から小売に至る商流に「代理商」がいて、その存在が大きいことでしょう。代理商は名前の通りに製造メーカーの代わりに商品を販売する企業の総称です。

 広い中国において、ひとつの会社が単独で中国全土に商品を展開するのは、物理的に難しいのです。それぞれの地域で現地企業に販売権を渡すのが一般的なことから、代理商の力が強くなりました。日本の問屋業と比較されますが、私個人の感覚では、権利と同時に引き受けなければならない責任が代理商の方がはるかに大きく、似て非なるものだと考えます。

 もう一つ、日中の商流で異なるのは、商品を消費者に認知させるためのプロモーションに対する理解です。日本の場合、消費者は商品を購入する前に商品の本質を知っています。複数の競合メーカーが販売する商品の価値から、自分に適したものを選べば、購買欲に対する満足感が得られます。メーカー側は、商品の存在さえアピールするプロモーションを行えばある程度の売り上げは見込めるわけです。

 一方で、世界から入ってくるたくさんの商品であふれかえる中国では、商品の増加スピードと消費者の商品に対する認知度に大きな差があります。認知度を向上させるための活動を行わなければ、中国人の消費に結びつきません。

 中国人が日本製という理由だけで過去に使ったことがない商品を購入した時代は、2016年後半で終わりました。17年以降、中国に商品を売りに来ている日本企業が苦戦しているのは、最低限やらなければならない認知度向上を怠ったことに他なりません。

狩野浩治氏

1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。


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