第11回 その恐怖心、マーケティング不足[今日の中国]

 
  • 2019/6/10
▲ CBEの日本企業が並んだ館は会期を通じて人が絶えませんでした

 月4週目は上海で開催された「CHINA BEAUTY EXPO(CBE)」に張り付いておりました。上海と私の家がある廈門は飛行機で2時間ですが、「上海と中国は別物」です。中国一の国際都市は、他の都市とは、街やそこで生活する人が異なります。歩くスピードが速く、言葉も早口です。地方都市に住む日本の方は、東京だけで日本を判断される違和感を感じませんか。何はともあれ、廈門でいつもの生活に戻り、ホッとしているところです。

 CBEには毎年参加していますが、日本企業の出展が増えたのと同時に、フランス、ドイツ、スペインなどの欧州、さらに韓国から進出する企業の勢いも感じました。世界中のあらゆる国が中国に根を張ろうとお金と人を投入しています。中国の消費者は日本製の商品に対する信頼が厚いので、これからも日本企業には大きなチャンスがあります。一方で、商品力、ブランド力、広報力、営業力など特筆する何かを持った世界のトッププレーヤーが集まっています。

 旧知の人も含め、一度にたくさんの日本の方と話をしたので、何度も見てきた日本企業の中国進出における失敗のポイントを再認識しました。それは、日本の方が話す「中国リスク」という言葉に集約されます。「何が起きても不思議ではない」という、中国特有の商慣習に対する恐れです。

 恐怖心は、中国に来て感じたものではなく、来る前から出来上がっています。日本での報道によるものか、あるいは自分の中に作ったイメージか。自ら確かめる前に決めているので、どんなに実態が違うと説明しても、誤解が解けません。

 その結果「いつでも撤退できるようにしておこう」という消極的な姿勢になるのです。中国に根を張る現地化システムの構築が進まず、現地責任者の権限を異常なまでに制限し、中国市場にお金をかけないことになります。間違った認識を改める有効な対策はあるのです。商売をする目線で行う、意味のあるマーケティングを行うことです。

 中国で成功する欧州の企業はマーケティングを徹底します。消費者はどんな生活をしているか、どんな悩みがあるか、何を求めているか、商流は、どんなキーパーソンがどんな権限を持っているか、中国に根を張り交わればわかることばかりです。わかれば恐れるほどのことはありません。日本とは違うだけです。

狩野浩治氏

1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。


おすすめの記事
デジタルマーケティングの展示会 @ネット&スマートフォン・コマース

関連記事

国内外の展示会を取材する
展示会専門紙
国際イベントニュースとは
私たちが展示会に注目する理由とは...。国際イベントニュースが取材する情報をご紹介します。

◀お知らせ▶
2020年2月から月1回発行
今回どうだった?
出展者に聞いた展示会の口コミ
人が集まるブース特集
記者の目にとまった人が集まるブースを紹介
自治体の出展戦略
自治体が出展!その目的は?
海外展示会挑戦記
海外展示会に挑戦する企業に聞いた
海外展示会レポ
現地記者が海外展示会を取材。海外トレンドをお届けします
イベント人物図鑑
展示会で出会える人を紹介します
国内展示場小間数ランキング

ブース・人材・運営・サポート企業

医療インバウンド
ページ上部へ戻る