トーガシ、売り上げ50 億円達成へ 30年振りの大台回復

  • 2020/2/3

 ディスプレイ業中堅のトーガシ(東京都江戸川区)が、2020年1月期に売上高51億円を達成する。前期比11%の増収で50億円台の回復は、前身の東京貸物社以来30年ぶりのことだ。展示会やプライベートショーの基礎施工や、運営事務局の代行業務で受注を拡大したことが増収の要因だが、同じ領域での事業拡大に吉田守克社長は慎重だ。ディスプレイ製作に関して、工場の稼働や職人の数など供給体制に余力がなく、施工案件増による事業の拡大に限界が見えているからだ。今後は、コンサルティングやノウハウの提供など、ソフト分野の成長に注力し、MICE市場全般へ事業拡大を狙う。

▲ トーガシ(東京都江戸川区)吉田 守克社長

―業績が好調な要因は何か。

吉田 展示会関連の基礎施工・事務局代行案件が増えたことが要因だが、同業他社はどこも高い成長率を維持しており、遅まきながらようやくここまできた、というのが正直なところだ。12年前、芸能イベントの主催業務に挑戦して大きな損を被り、成長が遅れた。リーマン・ショックや震災も重なり厳しい時期が続いたが、ようやく新しい挑戦ができるところまで来た。

―これから、注力することは何か。

吉田 昨年、地域活性化事業部を新設し、地方のMICE案件に関わるためマーケティングにあたってきた。まだ、売り上げを立てるまでには至っていないが、次の成長の柱になると考えている。17兆3500億円といわれるイベント市場規模(2018年・日本イベント産業振興協会調べ)において、展示会の会場内における市場規模は2000億円程度で、スポーツやフェスティバル、会議に比べて小さい。さらに、7割以上が移動、宿泊、飲食などイベント会場外で消費されたものであり、これらの市場に接近したところに成長がある。昨年、セキュリティ機器の販売・リース部門を新設したのも、主にスポーツ・興行イベントでの需要を見込んだもので、今期は6000万円を売り上げた。

―既存の展示会関連事業については、どう考えるのか。

吉田 関西地区の施工拠点を今年6月に京都・長岡京に移転する。現状の1.5倍の広さになるため関西の案件を増やす。東京では、サイン関連の出力機に総額1億円を投資した。生産性の向上と、社員の労働環境改善を図った。だが、施工業務を際限なく増やすことは考えていない。現状の生産体制では、案件を増やすにも余力が限られており、人、物、場所に対する投資をしなければ、これまでのような増収は見込めないからだ。

―田中嘉一氏の入社で、展示会主催業務に進出すると見る関係者も多いが。

吉田 それはない。12年前の失敗で主催業務には懲りている。田中氏には地方活性化事業での活躍を期待している。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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