第15回 非常時を楽しむ人々[今日の中国]

 
  • 2019/11/16
▲香港空港で一晩を過ごした、私の寝床です

 前回に続き、8月12、13日に、デモによる香港空港の閉鎖に巻き込まれた私の状況をお伝えします。 本来であれば、12日の19時30分に香港に到着し、22時にトランジットして自宅のある廈門行きの飛行機に乗るはずが、19時に台湾の高雄に代替着陸したところまでは前回お伝えした通りです。高雄では、キャセイパシフィックの地上勤務員の方々がすべての乗客に対し、空港からバスで30分のホテルまでの移動、一人ずつの部屋割り、翌日空港に戻るまでの手配を見事にこなされました。不満を述べる乗客は私が見た限りでは一人もいなかったのです。不測の事態において、マニュアルに頼ることなく臨機応変に対応できるのは、中華圏の人々の強みに思われます。

 以前同じようなことを日系航空会社で経験したことがありますが、「規則ですから…」の一点張りでマニュアル以外の対応がない、個人の判断ができず、不測の事態には対処できない企業風土をまざまざと感じさせられたことがありました。

 香港空港の話に戻ります。結局私が乗った飛行機は、15時間遅れで香港空港に13日12時に到着しました。空港の外に座り込むデモ隊が搭乗客を空港に入れないようにしていたので、機体はあっても出発の見込みが全く立っていませんでした。案内掲示板には13日の便の90%が欠航するという表示がされました。

 前日キャンセルになった廈門行きの搭乗券を持ち、チケット振替の長い列に4時間並んで手に入れたのは、翌日14日9時30分の便のチケットでした。16時間、香港空港に滞在することが決まった瞬間でした。食べ物、飲み物、寝床を確保し、商談を延期する連絡をしたりしてバタバタと3時間程たった頃、空港で一晩過ごすことを決めた人たちの雑談が何気なく始まりました。国籍、立場、年齢はさまざまでしたが、「この状況を楽しもう、なるようにしかならない、ケ・セラ・セラ」という雰囲気だったのが、印象的でした。


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狩野浩治氏

1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。

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