工作機メーカー、学生向けにアピール @JIMTOF(日本国際工作機械見本市)

 
  • 2018/11/25
展示会名:JIMTOF2018
(第29回 日本国際工作機械見本市)
会期:2018年11月1日(木)~6日(火)
会場:東京ビッグサイト 全館
主催:(一社)日本工作機械工業会、東京ビッグサイト
後援:外務省、経済産業省、東京都、日本商工会議所
出展者数:1085社(海外185社)
来場者数:15万8108人(海外1万2791人)

 工作機械の展示会「JIMTOF(日本国際工作機械見本市)」では、学生に向けてブランドをPRするブースが並んだ。生産財を扱う業界は世界的シェアを持つ大手企業でも、学生の間では知名度が低い。採用難は共通の悩みとなっており、主催者も学生向けのセミナーなどで誘致に力を入れる。理工学系の学生が集まる展示会は、採用も出展する大きな目的となっている。

▲工作機械大手のヤマザキマザック(愛知県丹羽郡)は、サンダーバードをモチーフにしたブースを作り、遊び心のある社風をPRした

サンダーバードでPR

 工作機械大手のヤマザキマザック(愛知県丹羽郡)が「JIMTOF」のためにつくったブースでは、サンダーバードに登場するマシーンが全面的に打ち出された。2019年に創業100周年を迎えるにあたり、広告展開におけるキャラクターとして採用したものだ。テレビ放映時に番組を見ていた中高年層をターゲットにしていながら、遊び心のある社風を周知することで、若い学生たちの関心を引きつけようというブランド戦略だ。

 ブースでは来場する学生たちに会社説明をするために、「学生担当」のバッジをつけた社員が複数待機した。経営企画室の大石亮室長は「『JIMTOF』に出展する目的の半分は学生に向けたPR」と話す。年商2500億円で世界に展開する工作機械大手だが、学生でヤマザキマザックを知る人は少ない。知名度の低さは新卒採用における出遅れの要因となっており、理工学系の学生が来場する「JIMTOF」は、業界における会社の存在を知らしめる格好の場というわけだ。会期中、ブースには数千人の学生が訪れた。

ヤマザキマザック(愛知県丹羽郡)
経営企画室 大石亮室長

 知名度の低さによる採用難は、ヤマザキマザックに限った話ではない。生産財メーカーはどこも状況に大差はなく、主催の(一社)日本工作機械工業会も、会場に学生を集めようと、経営者や若手エンジニアを講師に立てたセミナーを毎回企画する。特に、土日は学生の誘致に力を入れた企画をそろえた。

 大石室長によると、生産財メーカーが採用に苦労するのは、海外も同じだという。米国・シカゴで開催される工作機械の展示会「シカゴ国際工作機械見本市(IMTS)」では、主催者が小学生向けのパビリオンを設け、ものづくり産業や工作機械の働きを伝える展示を行った。「IT全盛で、世界的にモノづくり企業は、総じて後れを取っている」(大石室長)


海外来場者も増加 アジア、東欧からも

 外国人来場者の増加を話す出展企業も多かった。

 粉じん収集機など工場用の機械メーカー昭和電機(大阪府大東市)は、英、タイ、ベトナム、韓国、スペイン語を話す海外営業部の社員を延べ10人ほど動員した。これまでも、会場で海外の新規顧客とつながり取引に結びつけてきた。今回は、見込みのある来場者だけを商談席に引き込む戦略で臨んだが、海外案件だけで74件の商談につながった。他社の競合製品を使用している来場者から「状況を改善できるか」といった相談や、それぞれの地域で代理店になりたいという内容が多かった。

 精密モーターやハードディスク用の部品製造に使用する工作機械のメーカー、タカハシキカイ(新潟県小千谷市)には、中国、韓国、インド、欧州の来場者が訪れた。自動車産業が多い国内来場者に比べ、家電や通信系の企業など海外来場者は業種の幅が広かった。短い時間でどれだけたくさんの加工ができるかという、量産性を気にする人が多かったという。

▲「海外に競合製品が多くあることも分かった」と話す昭和電機の石川裕一さん

 溶接、切断用の機械メーカー小池酸素工業(東京都墨田区)では、東欧からの来場者が目立った。ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアには欧州企業の生産拠点が多くあり、現場担当者や工業系の大学から学生や教授陣も訪れた。

 20回以上出展する静岡鐵工所(静岡市)のブースにも、中国、ロシア、韓国、アメリカの来場者が訪れた。だが、海外での販売実績がなく、要望に応えることができなかった。「海外の規格に対応する製品開発が必要だと感じた」(担当者)

 日本工作機械工業会によると、海外の同業展示会に出展し、現地で記者会見を行い、各国の専門誌で取り上げられるようPRを行ったという。だが、外国人誘致のために新たに始めた施策はないということで、日本の工作機械業界に注目する人が増えたことによる自然増が大きいと言えそうだ。主催者発表によると、海外来場者数は1万2791人で、前回よりも1258人増加した。


おすすめの記事
アジア最大級の工作機械見本市[口コミ]@JIMTOF 2018 前編

国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

関連記事

新聞からの移行プラン
国内外の展示会を取材する
展示会専門紙
国際イベントニュースとは
私たちが展示会に注目する理由とは...。国際イベントニュースが取材する情報をご紹介します。

今回どうだった?
出展者に聞いた展示会の口コミ
人が集まるブース特集
記者の目にとまった人が集まるブースを紹介
自治体の出展戦略
自治体が出展!その目的は?
海外展示会挑戦記
海外展示会に挑戦する企業に聞いた
海外展示会レポ
現地記者が海外展示会を取材。海外トレンドをお届けします
イベント人物図鑑
展示会で出会える人を紹介します
国内展示場小間数ランキング

ブース・人材・運営・サポート企業

医療インバウンド
ページ上部へ戻る