参加国は産業界との交流に期待している【2025年大阪・関西万博ウォッチ】

 
  • 2019/3/10

 (公社)関西経済連合会の櫟(いちのき)真夏常務理事は、2018年の109日間をパリで過ごした。万博開催国を決める際に、投票権を持つ博覧会国際事務局(BIE)の各国代表に対するロビー活動を行うためだ。誘致に成功した要因として、櫟氏は「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」という、テーマに対する評価をあげた。各国政府には日本の医薬・健康産業と接点を持ち、経済交流につなげることへの期待があるという。


(公社)関西経済連合会 櫟(いちのき)真夏常務理事

 2017年5月、着任してすぐ日本万博博覧会誘致委員会の誘致活動に加わった。



ロビー活動に従事した担当者に聞く

―パリでのロビー活動はどういうものでしたか。

 最後までロシアの強烈な追い上げにあい、一時はBIEの事務局員から「日本は頑張ったが、今回はロシアだ」と言われたこともありました。一方で、「いのち輝く未来社会のデザイン」という日本の誘致案で掲げられたテーマについては、良い手応えを感じていました。最終的に日本に票が集まったのは、テーマの内容、「日本であればテーマを形にするだろう」という信頼、そして、長い間国家間で培われてきた関係性だと思います。支援や経済交流に対するお付き合いもあったと思いますが、「日本だったらうそはつかない」という国に対する信用を常に感じました。

―テーマに関心を持った国は、何に期待したのでしょう。

 テーマの先には、医療、製薬、健康などの産業振興があります。この分野に関係する日本の企業と接点を持つことに期待しています。工場や研究施設などを呼び込む、となれば最高ですが、人や技術の交流が生まれることに多くの国が期待しています。

―形にすることへの信頼とは、言い換えれば、テーマに関係する企業の意思決定者が世界から集まる機会にする、ということですか。

 参加する国も人やお金を割く以上、メリットを求めます。開催国の発展に対する協力を求めても、「それは勝手にやってくれ」と思われてしまいます。日本へのお付き合い、という側面で投票した国もありますが、今回のテーマは、世界中どの国にとっても深く関わるものであり、それを「形にしてくれる」信頼や期待があると思います。

―万博をお祭りのようなものと考えていましたが、展示会に近い側面もあるのですね。

 参加国にとっては、たくさんの人に自分たちの国や名産品を知ってもらう目的とともに、経済交流への期待は小さくないと感じました。

―関西経済連合会から万博誘致委員会に参加されました。関西の民間企業が万博の誘致を全面的に支援した理由は何でしょう。

 関西地域は、この30年、国内成長に後れをとり、右肩下がりの経済が続いたわけです。関西の民間企業のトップは皆、この状況を変えなければと思っています。そんな中、IPS細胞の研究を筆頭に、京都や神戸で医薬産業に光が差し、またインバウンド経済も盛り上がり始めました。次の世代に向けた芽吹きが現れたこのタイミングで、経済に勢いをつけるきっかけにしようという思いが共有されています。

 レガシーとして期待されるのは、関西が、医療、健康・スポーツなどのメッカとして人を集める場所になることではないでしょうか。道路や鉄道といったインフラ整備ももちろんですが、アジアの成長を関西に取りこむことは大きな目的だと思います。


おすすめの記事
2025大阪万博 国、府、市、民間の共管組織が運営

関連記事

国内外の展示会を取材する
展示会専門紙
国際イベントニュースとは
私たちが展示会に注目する理由とは...。国際イベントニュースには、こんな情報があります。
今回どうだった?
出展者に聞いた展示会の口コミ
人が集まるブース特集
記者の目にとまった人が集まるブースを紹介
自治体の出展戦略
自治体が出展!その目的は?
海外展示会挑戦記
海外展示会に挑戦する企業に聞いた
海外展示会レポ
現地記者が海外展示会を取材。海外トレンドをお届けします
イベント人物図鑑
展示会で出会える人を紹介します
国内展示場小間数ランキング

ブース・人材・運営・サポート企業

医療インバウンド

日本全国DMO
ページ上部へ戻る