外国人旅行者向けの土産、好調続く @東京インターナショナル・ギフト・ショー 

 
  • 2019/11/4
展示会名:第88回 東京インターナショナル・ギフト・ショー 秋 2019
会期:2019年9月3日(火)~6日(金)
会場:東京ビッグサイト 西・南・青海展示棟
主催:ビジネスガイド社
出展者数:2967社(海外774社)
出展者層:消費財関連の国内メーカー・輸入商社・欧米メーカー

良質、珍しさ 日本製だけでは振り向かない

 贈答品と生活雑貨の展示会「東京インターナショナル・ギフト・ショー」でバイヤーの注目を集めたのは、依然として外国人旅行者向けの商材だった。それらの一部は海外バイヤーとの商談につながった。アジアから訪れたバイヤーは、日本製というだけでは振り向かなくなっており、良質さに加えて他にはない珍しさを求める人が増えた。外国人による消費の獲得という点で、出展企業の勝敗が分かれる結果となった。

▲エイチ・エヌ・アンド・アソシエイツ(静岡市)は、今年からインバウンド向けの商材の取り扱いを始めた

 外国人旅行者向けの消費を狙い、和柄の雑貨を展示したエイチ・エヌ・アンド・アソシエイツ(静岡市)のブースには、地方の小売店や土産物店のバイヤーが集まった。和柄の手ぬぐいには、旅館を取引先に持つ卸売会社が興味を示した。外国人の名前を漢字にしたキーホルダーやマグネットも、インバウンド用の土産として人気の商品だ。「バイヤーが求めているのは市場にない珍しい商品」(渡邉喜一郎社長)

 動物のぬいぐるみが好調な太洋産業貿易 (横浜市)には、小売業のバイヤーに交じり、水族館や動物園の担当者が訪れた。アルマジロ、ヤンバルクイナなど珍しい種類を製造し、314種類をそろえたことが人気となった。一番人気はナマケモノで、マグロなど魚類の人気も高い。ここでも注目を集めるのは「珍しいもの」(小野山雅子さん)ということだった。今年初めて出展した「香港ギフト&プレミアム・フェア」での反応はさらに良く、日本製品が飽和状態にある香港でもバイヤーから高い支持を得た。

▲珍しい動物のぬいぐるみほど人気が高い大洋産業貿易(横浜市)

 テーブルウェアメーカーの丸勝(岐阜県瑞浪市)は、デザイン性の高いインテリア商品をあつめた「LIFE×DESIGN」にも出展した。カフェ経営者や雑貨店の仕入れ担当者に交じり、アジアのバイヤーが集まった。「万人受けするものよりも、小ロットで高価なものをつくるメーカーが評価されている。日本の高級食器を求めるアジアのバイヤーは増えており、一点物を求める人が多い。最近は、ドバイとも取引が始まった」(谷村健治取締役)

 和紙製品を扱うネオス(新潟県長岡市)は和紙で作った壁飾りを展示した。額に入れて1500円で展示すると、来場者から「安い」と評価されることが多かった。「単体を1000円で販売していたときは高いといわれた。同じ商品でも伝統工芸という見せ方にすると価値を感じてもらいやすい」(西山美智雄さん)。一方で、アジアのバイヤーも訪れたが、言葉の対応ができなかったため成約には至らなかった。


雑貨のトレンドにも環境対応

▲「洗たくマグちゃん」がアジアのバイヤーにも注目された宮本製作所(茨城県古川市)

 環境保全(エシカル)や、持続可能な開発目標(SDGs)といった社会的テーマに沿った商品も注目を集めた。宮本製作所(茨城県古河市)の「洗たくマグちゃん」は、洗濯機の中に入れておくだけで洗剤の役割を果たし、マグネシウムの力で部屋干しの臭いを消す効果を発揮する。テレビなどで取り上げられることも多く、水質環境を保全するというコンセプトから環境に対する意識の高い人の間で人気が出ている。会場では中国やタイなど海外のバイヤーからも注目を集めた。

 美容雑貨の卸業、ときわ商会(東京都墨田区)は日用品や化粧品がメインだが、スポーツショップなど新しい業界との取引を増やすため「ギフト・ショー」への出展を続ける。「環境対応に関連する話が多かった」と山田里奈さんは話し、オーガニックや自然由来の商品が注目を集めた。


自動車産業から進出した企業も新事業で出展

▲自動車用部品の製造がメインのイケックス工業(名古屋市)は折りたたみ椅子が好調だ

 国内屈指の大型展示会に集まる幅広いバイヤーとの出会いに期待し、新しい市場を開拓するために出展する企業も多かった。自動車用のシート製造が母体の丸菱工業(愛知県小牧市)は、シート製造の技術を生かし椅子やクッションを自社ブランドで販売する。事業化したのはリーマン・ショック以降で、今回が4回目の出展だ。正しい姿勢をサポートする「スポッとクッション」は長時間座り続ける仕事に就く人の間で人気だ。「バイヤーだけでなく、一般ユーザーも来場するのがこの展示会よいところ」(宮原昭浩さん)

 イケックス工業(愛知県春日井市)も金型の製作など自動車用部品の製造がメインだが、自社商品の開発に力を入れ、プラスチック製の折りたたみ椅子が売れている。幅広い小売業のバイヤーが訪れ、市場が求めるものを知ることができるのが、「ギフト・ショー」に出展を続ける理由だ。「消費者のほうが情報を持っているので、中途半端なものを作ると見透かされる。作り手が得意分野を突き詰める必要がある」(植松孝之さん)

 まだ商品化していない開発中の介護用の見守りIoT機器を展示したのはアール・イー・ハヤシ(東京都品川区)だ。一般的なインテリア雑貨も展示したが、注目を集めたのはIoT製品だった。「バイヤーや卸売会社の多くは、IoTを扱わなければという意識があるようだ。見守りサービスは高齢者用として展示したが、来場者からペットや小さな子どもの見守りで使えるかもしれないとの声があり、今後の商品化に生かしたい」(八巻吉雄さん)


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国際イベントニュース 編集部 坪田康佑国際イベントニュース フリー編集者・ライター 坪田康佑 20代後半から出版社に勤務。中小企業向けの経営情報誌「COMPANYTANK」元編集長を経て、40歳でフリーに。2017年から国際イベントニュース編集部にも参加。趣味は麻雀と競馬。学生時代は雀荘で働き、腕を磨いた。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎 2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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