統合型リゾート施設運営大手 シーザーズ 大阪での運営権獲得に全力注ぐ

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法が公布され、7月で1年を迎える。政府は5月22日、実施法により規定される基本方針の発表を夏の参議院選後とした。方針発表後は誘致を検討する自治体は、手を挙げるか否か、決断しなければならない。手を挙げる自治体は、それまでにIR運営組織と企画案をまとめなければならず、IR運営会社と自治体、地域経済界などとの面談も大詰めを迎えつつある。IR運営大手、米国シーザーズ・エンターテインメントで日本の開発責任者を務めるスティーブン・タイト氏に、今の状況について聞いた。

今年後半が天王山

―IR実施法が国会を通過して、まもなく1年を迎える。IR運営大手として、現在どんな活動をしているのか。

 IRを地域につくるのか、国に対して名乗りを上げるのか、自治体が決める段階に来ている。一番話が進んでいるのは大阪だ。官民を挙げてIRを誘致し、支援しようという機運が高まっている。大阪以外の自治体はIRに対する態度をはっきりと決めていない。今年度末までに立場を明確にする自治体が現れるだろう。
 我々は日本でIRのライセンスを獲得するために、15年前から事務所を構えている。その間、中央省庁、自治体、産業界との面談を重ねてきた。すでに、IRに関する基本的説明は済んでおり、パートナーシップを組みたい相手と詳しい話を重ねている。実施法通過以降は話の中身がより詳細になった。

―詳細な話とは具体的にはどういうものか。

 IRに対して投資を考えている企業との話が多い。投資で得られるメリットについて見極めたいということだ。不動産開発会社であれば、施設の開発や、周辺の開発がどこまで進むのか、という話題が多い。インフラ会社はIRの集客力について探っている。本業へのリターン、設備の増強がどの程度必要かを見極めたいのだろう。金融業は単純に投資額に対するリターンを知りたい。IRの経済的波及は観光産業、雇用、税収の拡大、地元地域に及び、広範な産業に好影響を与える。投資家ごとに関心が異なるということだ。

―周辺の開発というが、IRができた場合の経済的影響はどの程度まで及ぶのか。

 ラスベガスは、1970年代の人口が70万人、現在は220万人だ。IRができたことにより、直接雇用だけでなく、下支えするさまざまな産業が積み重ねられた。そこには、住民となった人たちのための病院、学校、スポーツ施設も含まれる。
 大阪でも同じようなことは起こるだろう。近くにはユニバーサルスタジオがあり、とても魅力的な目的地になる。人口と観光客の増加により、不動産開発が活発になるだろう。

―ラスベガスの開発を主導したのは民間、行政のどちらだったのか。

 両者のコラボレーションによるものだ。行政は観光客の増加に耐えられるよう、あらゆるインフラを整備し、また観光客を誘致するための税制優遇措置を設けた。民間は、一般に広く受け入れられるエンターテインメント施設をつくった。
 ラスベガスの場合、当初開発が進んだのはゲーミングに関わる部分が主だったが、徐々に中心が会議施設に移った。会議、ミーティングのための施設を日中提供し、夜間にエンタメ施設を提供をすることの相性がとても良かったからだ。ラスベガスではこの2つの組み合わせが成功の処方箋だと誰もが認識している。

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