【医療インバウンド10年の軌跡】第7回 医療渡航ビザの利用状況

ロシアにも高い可能性

取得しやすく、期間の制限もおおらかな医療渡航ビザは、制度ができてから6年で20倍近く増加した。利用者の大半は中国人だが、「インバウンド観光客の全対数から見れば、まだ非常に数が少ない」と青木氏は話す。利用者拡大のポイントはプロモーションと差別化戦略にあるという。

 医療渡航ビザの制度は2011年1月にできて、その当時70件でしたが、16年は1307件まで伸びました。中国人が多く44%を占めていましたが、16年に至っては88%と、とてつもない状況です。観光客の全体数でも中国がトップで、韓国、台湾と続きますが、医療観光においても同じことが言えます。 

 北京に3年駐在していましたが、中国で病院にかかるのは大変です。朝早く病院に行き、ドクターの順番を押さえます。ドクターにもランクがあり、費用が高くかかるお医者さんから、安く済むお医者さんまでさまざまです。日本と同じように、薬をもらうために処方箋を出すお医者さんもいます。中国の方は、最初は高くても信頼のおけるお医者さんに行きます。2回目、3回目ともなるとランクを下げます。 
 中国から来た方は、「日本は本当に親切」と言います。医療渡航ビザの制度が広く知られれば、世界で評判も広がるでしょう。ロシアの医療水準もまだ、高いとは言えません。モスクワなどはそうでもないかもしれませんが、極東のウラジオストクなどからは日本に来たほうがいいという人もいます。ベトナムも経済発展が目ざましくて、親日的なため日本に来る方が多いです。ベトナムの医療機関と交流がある日本の医療機関もあるので、ベトナムも医療観光が伸びる可能性が高いと言えると思います。 

 しかし、1307件は非常に少ない数字です。2800万人の方が海外から来ているのです。もう少しスムーズに取れるようにするのも政策次第だと思います。

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