【全国DMO巡りvol.18】(一社)こもろ観光局 山が苦手な人を取り込む

▲雄大な山々は小諸の大きな観光資源。「トラウマ克服登山」は登山に苦い思い出しかない人たちを参加させるというユニークな発想で成果をあげた。これはその「黒斑山編」で、背景にあるのは浅間山

「トラウマ克服登山」

 雄大な浅間山の登山口。市の真ん中を千曲川が流れ、噴火がつくった独特の地形に小諸城や北国街道ができ、歴史情緒あふれる高原の城下町として発展してきた。この町並みや標高を生かした新しい観光プログラムをつくろうと、DMOが中心となってさまざまな企画に取り組んでいる。

 浅間山登山では、登山が苦手な人を仮装して出迎えたり、経路に合わせ「克服度」達成スタンプを押すといったエンターテインメント要素を含めた「トラウマ克服登山」が人気だ。スノーシュートレッキング、アニマルトラッキングなど、浅間山の大自然を感じ、生き物たちと触れ合うプログラムも開発した。

 開発を担ったこもろ観光局は、「地域おこし協力隊」という地元の事業者が中心にできた組織で、観光局がDMOとなって、これまで以上にマーケティングや広報活動に力を入れたことで、課題や実態が見えてきた。
 観光VTRの制作もそのひとつ。小諸を舞台とした人気アニメがあり、聖地巡礼地として熱心なファンが小諸を訪れていたが、小諸に対する若者層の認知度は低かった。そこでアニメに出演した声優を起用した観光VTRを制作し、首都圏のテレビCMや全国のメディアに発信した。昨年の「小諸城址懐古園の紅葉まつり」では、過去に比べてたくさんの観光客が押し寄せた。

 今取り組むのは、市内の空き家や古民家を有効利用する「まちなかホテル構想」や、標高2000mの立地を生かした「高地トレーニングエリア構想」といった、新しい観光・集客プログラムだ。

 小室孝明事務局長は、住民と事業者が主体的に地域観光に取り組み、外部の人を招くことの重要性を話す。数字にあらわれにくい住民の感情の高まりが一番の成果だという。最も大切なことは「最終的に地域住民が幸せになったかどうか」だと、小室事務局長は話した。


▲小諸城址 懐古園。小諸城は浅間山の噴火でできた谷と丘に建てられ、周囲の城下町よりも低い位置にあるという「穴城」として知られる。本丸跡は懐古神社となっていて、桜の名所としても多くの観光客を呼んでいる

代表者メッセージ


(一社)こもろ観光局 花岡隆理事長

「詩情あふれる高原の城下町」の魅力を新しい人と視点、手法で創り上げ、発信することに取り組み、少しずつ成果が上がっている。今年度から複数のワーキンググループも立ち上げ、事業者やNPOなどが、企画から主体的に観光事業に関わり、運営までを担う体制を整えた。 他のDMOと同様、人口減少に伴う観光客の減少対策として、インバウンドの推進は、小諸にとっても生き残りの必要条件だ。行政主体ではなく、地域住民を巻き込んだ活動で、「住んでよし、訪れてよし」の小諸を世界にアピールしていく。

法人名:一般社団法人 こもろ観光局
設立年月:2016年11月25日
所在地:長野県小諸市大手1-6-16
年間延べ宿泊者数:国内 約6万8000人
参加自治体・企業・団体:小諸商工会議所、佐久浅間農業協同組合、小諸市農業青年クラブ、一般社団法人小諸フィルムコミッション、こもろ観光ガイド協会、NPO法人小諸町並み研究会、しなの鉄道株式会社、浅間・高峰観光協議会、小諸商店会連合会、小諸市金融団、日本政策金融公庫、小諸市社会福祉協議会

 

DMOとは?

日本版DMOは、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。
このため、日本版DMOが必ず実施する基礎的な役割・機能(観光地域マーケティング・マネジメント)としては、
(1) 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
(2) 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立
(3) 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション
が挙げられます。
また、地域の官民の関係者との効果的な役割分担をした上で、例えば、着地型旅行商品の造成・販売やランドオペレーター業務の実施など地域の実情に応じて、日本版DMOが観光地域づくりの一主体として個別事業を実施することも考えられます。

引用元 国土交通省観光庁


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