ASEAN地域で海苔の販路拡大【海外展示会挑戦記】

▲日本で初めて韓国海苔を製造・販売したサンエイ海苔の立谷社長

サンエイ海苔(福島県相馬市)
@「VIETFISH(ベトフィッシュ)」(ベトナム)

海苔(のり)加工のサンエイ海苔(福島県相馬市)が海外展示会に出るようになったのは、東日本大震災が起きてからだ。相馬の工場が被害を受けて製造できない時期が続いたため、韓国海苔を作っていた韓国工場の製造能力を強化し、海外販売を強化した。輸出先は東南アジアが8割で、欧米にも2割ほどを出荷する。

海外の展示会には規模の大小を問わず、月1回のペースで出展する。英語、中国語、韓国語を話せるスタッフがいるため、言葉が通じる地域が中心だ。昨年夏はベトナムの水産食品展示会「VIETFISH(ベトフィッシュ)」に出展した。中国、台湾、韓国では福島県産の食品が避けられるため、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどASEAN地域に出展することが多い。これらの地域で風評被害は少ないが、ハラール認証(イスラム教の食の規定)やコーシャ(ユダヤ教の食の規定)を求められることが多い。「必須ではないが、他の出展者はかなりの割合で取得していた。宗教上の理由で取引の条件になることもあるので、取得を急いでいる」(立谷甲一社長室長)

海外で海苔を使うのは、すしに関わるところが圧倒的に多く、すし店や日本食レストランが取引相手の中心だ。タイでは例外的にお菓子の原料として海苔が使われる。「VIETFISH」では100名弱の現地バイヤーと出会うことができ、その後、具体的に商談が進んでいる企業もあるそうだ。

1996年に日本で初めて韓国海苔の製造・販売を手がけて業績を伸ばした。2000年代初めには、国内における韓国海苔のシェアを70%まで伸ばした。韓国に工場を構えたのもそのころだ。だが、震災後製造できない時期が続き、スーパーでは棚が奪われ、大手メーカーとのPB契約は打ち切られた。現在、国内シェアは30%まで落ち込んだ。


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国際イベントニュース 編集部 坪田康佑国際イベントニュース フリー編集者・ライター 坪田康佑
20代後半から出版社に勤務。中小企業向けの経営情報誌「COMPANYTANK」元編集長を経て、40歳でフリーに。2017年から国際イベントニュース編集部にも参加。趣味は麻雀と競馬。学生時代は雀荘で働き、腕を磨いた。

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