商機つかんだ日本の新興企業たち@CES(米・ラスベガス)

▲クラウドファンディングサイトを運営するマクアケは2回目の出展。アルコールチェッカーの「TISPY」などマクアケで集めた資金で製品化した商品を展示した

家電とデジタル技術の展示会 CES (米・ラスベガス)

ラスベガスで開催された家電や最新デジタル技術の展示会「CES」で、日本の新興企業のブースに多くの来場者が集まった。日本人来場者との商談を重ねた出展企業も多く、「日本では会いにくい大手企業の決裁権者と直接話ができた」という声も聞かれた。フランスも新興企業の出展が昨年から倍増するなど、名前を売りたい若手経営者や技術者が集う場所になっていたようだ。

サイバーエージェントグループで、クラウドファンディングサイトを運営するマクアケ(東京都渋谷区)のブースには、4日間で1000人以上が訪れた。来場者には日本人が多く、帰国後に改めて会う約束をした企業が多かった。アジア系企業から「日本での販路を拡大したい」という相談も相次ぎ、アジアで知名度が上がっていることを確認できた。

今年が2回目の出展だったが、昨年に比べ成果は格段に上がった。「Eureka Park」という新興企業を集めた一角に出展したことが要因だ。「昨年はSouth hallの隅に出展したが、来場者数も反応も全く異なるものだった」と木内文昭取締役は話した。

「Eureka Park」に出展できるのは、主催者の審査を通過した世界展開を目指す新興企業だけだ。経済産業省のスタートアップ企業支援プログラム「J-Startup」のブースをはじめ、フランス、オランダ、韓国などが国単位のブースを構えた。「フレンチテック」の愛称で新興企業の育成に力を注ぐフランスはスペースを昨年に比べ倍増させた。

日系企業の決裁権者と商談も


▲見守り防犯ブザーを展示したウフルは「ディストリビューター求む」と掲示してから来場者が集まった

GPS機能が付いた見守り用の防犯ブザーを展示したウフル(東京都港区)は、販売代理店を探すことと、メディア露出を目指して出展した。「国内の展示会よりもCESの方が取材してもらえる確率が高い」(竹之内航洋さん)。名刺は400枚程度集まり、国内外の企業との商談が進んだ。

ブース来場者の7割は日本人だった。新製品や技術を探す人と、新しい売り物を探す卸売会社が多かった。初日を終えて興味本位でのぞく人が多かったため、「ディストリビューター(卸売り)求む」というパネルをつくり掲示したところ、2日目以降は狙い通りの人が集まった。アメリカ、欧州、南米、アフリカからも来場者が訪れた。中国人は昨年に比べると減った。

日本人来場者が多いことを見込んで出展した企業も多かった。住宅用防犯設備を展示したロボットホーム(東京都渋谷区)の担当者は「海外展示会には現地で商談を進めることができる決定権を持った人が来場する。日本ではそうはいかない」と話した。

コミュニケーションロボット「LAVOT」を開発するGROOVE X(東京都中央区)は351媒体から取材を受けた。2日目までは海外メディアの取材が大半だったが、大手テレビ局の取材が生放送され、IT専門メディアが主催するアワードで受賞したことが影響し、最終日はバイヤーや投資家のブース来場が増えた。2020年に海外展開することを目指しており、知名度を上げるためCESに出展した。「今回は想定以上。来年のCESは海外での本格販売を始める機会とする」(家永佳奈さん)

実用化進むIoT商品


▲拡大鏡を展示したスリーアールシステムは、来年も倍の広さで出展を申し込んだ

「5年ほど前、『CESの元気がなくなった』という話を聞いたが、この2、3年は大手から中堅企業まで出展規模が拡大している」(マクアケ・木内取締役)と出展ブースの盛り上がりを指摘する参加者は多かった。昨年に比べて実用化されたIoT商品が増えたことも、ブースの拡大につながったようだ。

3年連続出展した本田技研工業(東京都港区)は、個別の技術に関する提携相手を求めて出展した。研究開発中の技術や、出来上がった技術など、内容によって求める相手が異なることを事前に告知して当日を迎えた。商談が多かったのは、360度全方位に移動できる車輪機構技術の事業化に関するものだ。「技術が完成されており、どう使うのか、という具体的な話ができた」(広報部)

CES2019
会期:2019年1月9日(水)~11日(金)
会場:ラスベガスの複数会場(公式会場は11)
主催:Consumer Technology Association(CTA)
出展者数:4500社以上
主な出展者層:消費者向け技術ハードウェア、コンテンツ、技術配信システムなどの製造業者

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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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